モビリティ

2025.03.25 08:30

ソニー・ホンダ「AFEELA」ついに始動、水野CEOが語る勝算

水野泰秀|ソニー・ホンダモビリティ代表取締役会長 兼CEO

新しい関係を象徴する仕掛けのひとつがAIエージェントだ。AFEELAに搭載されるAIエージェントは、ドライバーの質問に答えるだけではない。「今日は通勤ルートを変えませんか」「コーヒーショップに寄っていきますか」など、AIエージェントが能動的に話しかけてくる。

ただ、今回の発表に関しては好意的な声ばかりではなかった。ネット空間には、「スペックに比して価格が高い」「エンターテインメントだけのクルマ」といった厳しい意見が目立った。これらの書き込みについて、水野は悔しさをにじませながらこう話した。「私たちはクルマの中を感動空間にするエンターテインメント、走りを含めたクルマとしてのトータル性能、そしてADAS(先進運転支援システム)という3段階でAFEELAの魅力を伝えようとしています。現在は第1ステージで、まだ伝えきれていないところがある」

走りやADASについては実際に乗らないと見えてこない部分があるが、現時点ではどうなのか。明かせるところまで明かしてもらった。

「先日、栃木にあるホンダのテストコースをお借りして乗ってきた。走りの出来はいい。AFEELA 1は車両が重たいのですが、キビキビと走れます」

気になる自動運転はどうか。AFEELA 1は40のセンサーと最大800TOPSの高性能チップで、レベル2+を実現する。テスラのFSD(フルセルフドライブ)はレベル2+相当。すでに実装されている点ではAFEELAの先を走っている。

「レベル2+というと、今や多くの車に装備されているオートクルーズコントロールとレーンキープアシストと大差ないと思われるかもしれない。しかし、AFEELA 1でやろうとしているのは、FSDに匹敵するレベル。実際のクルマで見せていくしかないでしょう」

AFEELAを開発したソニー・ホンダモビリティは、ソニーとホンダが50%ずつ出資して22年9月に誕生した自動車メーカーだ。ホンダで四輪事業本部長を務めていた水野に新会社のCEO就任の打診があったのはGW直前だった。(続きは3月25日発売「Forbes JAPAN 2025年5月号」でご覧ください。)


水野泰秀◎1963年生まれ。86年に本田技研工業へ入社。主に営業・販売領域の業務に従事し、95年にタイヘ赴任。以降、台湾、マレーシア、オーストラリア、中国で活躍。2020年に日本へ戻り四輪事業本部長に就任。22年に専務執行役員、ソニーJV準備室担当へ。同年、ソニー・ホンダモビリティの誕生とともに転籍、現職に至る。

[お詫びと訂正]
2025年5月号の表紙において、表記に誤りがございました。誤ってソニーホンダ・モビリティと記載しましたが、正しくはソニー・ホンダモビリティとなります。
読者及び関係者の皆様にはご迷惑をおかけし申し訳ございません。今後、再発防止に努めてまいります。
フォーブスジャパン編集部

文=村上 敬 写真=ヤン・ブース

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