モビリティ

2025.03.18 12:00

日産が英国での「自動運転テスト」完了、2万5000キロを無事故で走破

evolvAD Demo Drive 2025(C)Nissan Europe

evolvADは、日産が英国で実施してきた「HumanDrive」や「ServCity」といった取り組みの延長にあるプロジェクトだ。2016年以来、これらのプロジェクトは英国全土の高速道路や市街地、住宅街、田舎道を合計約2万5000キロにわたって自動運転で走行してきたが、事故はゼロだった。

400万ドル(約6億円)を投じたevolvADのプロジェクトは、成功裏に終了し、次のフェーズに向けた準備を進めている。この取り組みは今後、英国の都市や地域が自動運転システムやサービスの導入にどれだけ適しているかを評価するフェーズに移行する。

evolvADは、日産が技術面でリードする5つのパートナーによるコンソーシアムによって実施され、英国政府および「Connected Places Catapult」「Humanising Autonomy」「SBD Automotive」「TRL」といったパートナー企業が共同で資金を提供した。

evolvADの車両は、クランフィールド周辺の田舎道での走行に加え、ロンドンのグリニッジでもテストされた。そこでは、「スマートモビリティ・リビングラボ(SMLL)」が街路に設置した専用の監視カメラが、日産の自動運転車にリアルタイムで道路情報を送信していた。そのため、日産の車両は、屋根に搭載された大量のセンサーからのデータに加え、SMLLのカメラからの情報を活用できた。

このシステムは、車両が「曲がり角の先」を見ることができるようにするもので、例えば人間のドライバーが把握できない進路の先にある渋滞を検知して、ルートを変更することが可能だ。この「ビークル・トゥ・インフラストラクチャー(V2I)」と呼ばれる技術は、都市での自動運転の普及にとって不可欠なものになる可能性がある。ただし、誰がこのインフラの整備コストを負担するのかは、まだ決まっていない。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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