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宇宙

2025.03.17 18:00

6光年先に4つの低質量の「岩石惑星」を発見、太陽に最も近い単一星を公転

太陽系から約6光年の距離にあるバーナード星を公転する4つの惑星のうちの1つから眺めた恒星系の様子を描いた想像図(International Gemini Observatory/NOIRLab/NSF/AURA/R. Proctor/J. Pollard)

太陽系から約6光年の距離にあるバーナード星を公転する4つの惑星のうちの1つから眺めた恒星系の様子を描いた想像図(International Gemini Observatory/NOIRLab/NSF/AURA/R. Proctor/J. Pollard)

地球から2番目に近い恒星系の主星のバーナード星の周りで、100年以上に及ぶ探索の末に最初の惑星が見つかってからわずか数カ月後に、さらに3つの惑星を発見したとする「心躍る」研究結果が発表された。

天文学誌The Astrophysical Journal Lettersに11日付で掲載された、今回の研究をまとめた論文の共同執筆者で、米シカゴ大学の教授を務めるジェイコブ・ビーンは「この秘密を公表するのがただただ待ち遠しかった」として「今回の研究では、おそらく人類の永遠の知識となるだろうことを発見した。この発見の意義は計り知れない」と指摘している。ビーンの研究チームは、小型の太陽系外惑星の探索を目的とする最新の分光観測機器「MAROON-X」を開発し、ハワイ島マウナケア山頂にあるジェミニ北望遠鏡に取り付けて利用した。

バーナード星:4つの惑星の存在が判明

ジェミニ北望遠鏡の観測データによると、バーナード星を公転している4つの惑星は地球類似惑星ではない。質量が地球のわずか20~30%しかなく、数日間で主星を1周する軌道にあるため、生命を育むには高温すぎる可能性が高い。

論文の筆頭執筆者で、シカゴ大の博士課程学生リトビック・バサントは「これは本当に心躍る発見だ。バーナード星については、宇宙では地球のすぐ近くにある星にもかかわらず、わかっていることはこんなにも少ない」と述べている。バサントは、MAROON-Xの利用に言及して「これら最新の測定機器の精度に関しては、前世代からの飛躍的な進歩を示している」と続けた。今回の惑星は、3年にわたる計112夜の観測で得られたデータを用いて発見された。


バーナード星:最初の惑星の発見

今回の研究発表のわずか数カ月前には、南米チリにある欧州南天天文台(ESO)の超大型望遠鏡VLTを用いた別の研究チームが、バーナード星を公転する惑星「バーナードb」を発見したと発表していた。主星のバーナード星との距離が水星太陽間の距離の20分の1ほどしかないバーナードbは、知られている中で最も質量の小さい太陽系外惑星の1つであり、地球よりも小さい質量を持つことがわかっている数少ない系外惑星の1つだ。2018年に惑星の存在が示唆されてからバーナードbが発見されるまでに5年を要した。

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翻訳=河原稔

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