【重要なお知らせ:当社を装った偽サイトにご注意ください】

ヘルスケア

2025.03.07 12:30

若い女性の間で子宮頸がんのリスクが激減、HPVワクチンの効果か 英米で報告

Shutterstock.com

Shutterstock.com

現代の米国の若い女性は、ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンの導入前に育った女性に比べ、子宮頸部(けいぶ)の前がん病変を発症する率がはるかに低い。米疾病対策センター(CDC)の報告書から明らかになった。

HPVウイルスに感染すると細胞に変化が生じ、最終的に死に至る可能性もある子宮頸(けい)がんにつながることもある。実際、子宮頸がんの症例の99%はHPVに起因している。

米国では2006年以降、子宮頸がん予防として10代前半の女児にHPVワクチンの接種が推奨されている。今回の報告は、この方針が功を奏していることを示しているようだ。CDCによると、2008~22年の間に子宮頸がん検診を受けた20~24歳の女性の間で、前がん病変が約80%減少した。

この調査では、ワクチン接種の有無と検診の結果を比較していないため、因果関係を証明することはできない。だが、対象となった女性がHPVワクチン接種を受けた可能性が高い年齢層であるという事実は、ワクチンの効果を裏付けていると考えてよい。

CDCの調査には関わっていない専門家も、今回の調査結果を評価している。米テキサス大学MDアンダーソンがんセンターのジェーン・モンテアレグレ博士は、子宮頸部の前がん病変の減少はHPVワクチン接種の効果だとしている。同博士は米AP通信に対し、「この結果を見れば、子どもにHPVワクチンを接種させることは正しいのだと、親の側も納得するはずだ」と語った。

HPVとは何か?

HPVは性行為によって感染するウイルスで、皮膚疾患を引き起こす。同ウイルスは極めて一般的なもので、ある研究では、2018年時点で18~59歳の米国の成人の40%が何らかの形でHPVに感染していたと推定されている。実際、英国民保健サービス(NHS)は、ほとんどの人が生涯のうちに一度は感染するウイルスだとしている。

次ページ > HPVワクチンは有効なのか?

翻訳・編集=安藤清香

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事