ウクライナは2023年初めにスウェーデンから最初のRBS 70とジラフを受け取り、陸軍の第47独立機械化旅団と第93独立機械化旅団に配備した。両装備はこれまでにほかの部隊にも配備されているかもしれない。
運用部隊はスウェーデンで同国軍による訓練を受けた。ある教官は当時、訓練兵に「君たちは欧州の安全のためにも戦っている」と激励している。ウクライナ軍の旅団はすぐにRBS 70でロシア軍のドローンなどを撃墜するようになり、Ka-52攻撃ヘリコプターを仕留めた事例も知られている。
3人で運用する対空砲のトライドンは新しい兵器だ。基本的にはスウェーデンの有名なボフォース40mm機関砲のトラック搭載版と言えるもので、ジラフやRBS 70と同じ指揮統制ネットワークに接続される。さらに、この速射砲は1kg弱の砲弾を6.5kmほど先まで撃ち込むこともでき、航空機だけでなく装甲車両も攻撃可能だ。
新たな防空装備がウクライナに到着するにつれて、ロシア軍は空中での損害がさらに増えるだろう。大事な点は、スウェーデンがウクライナに兵器を供与し続けると確約していることだ。スウェーデン国防省は「ウクライナへのスウェーデンの支援は必要なだけ長く継続される」と言明している。
同国やリトアニアだけでなく、軍事的中立政策をとり、軽武装のアイルランドもウクライナに重要な装備を供与するのは示唆的だ。ウクライナの主要な支援国だった米国は、ドナルド・トランプ大統領による無秩序で衝動的な指導のもと、民主主義国との長年の同盟関係をないがしろにし、よく言って戦略的曖昧さに傾いている。
ウクライナの調査分析グループ、フロンテリジェンス・インサイトの創設者であるTatarigamiは、米国は「ロシアの味方をしている」と懸念を示している。トランプが支援の見返りにウクライナの鉱物資源権益の譲渡を要求していることに触れ、ウクライナはロシアと米国によって「奪い取られようとしている」と指摘している。
もし米国の支援を失っても、ウクライナは単独で戦うことにはならないだろう。より多く、より優れた兵器が、より多くの欧州諸国からもたらされようとしている。