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働き方

2025.02.25 09:00

「昇進を断る」従業員が増加中、その影響と会社が取るべき対策

Shutterstock.com

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従来、リーダーの役割を担うようになることは自然な昇進で、成功を示すものととらえられていた。組織は従業員が常に昇進を望んでいることを前提として階級を設け、昇進を受け入れることは地位の向上と給与の増加を意味していた。だが今日の労働者は昇進について異なる解釈をしている。最近のデータによると、従業員の42%が昇進を拒否している。是が非でも昇進したいと思っていたこれまでの世代とは真逆だ。

この変化は単なる一時的なものではない。職場文化や従業員が優先するもの、リーダーに求められるものなど、より深い部分での変遷を示している。企業にとって、これは重大な意味を持つ。優秀な人材を社内につなぎ留めるためのキャリア形成やインセンティブのあり方を再考すべき時が来ているのだ。

「昇進や昇給をちらつかせる以前のやり方はもはや通用しない。なぜなら、そうしたやり方には本当に個人の意欲をかき立てる要素が含まれていないからだ」と従業員エンゲージメントのコンサルタントで基調講演なども行うサラ・アビラムは説明する。

「給与や昇進などの外的報酬は依然として重要な要素ではあるものの、今日の労働者は影響力や自主性、そして極めて個人的な喜びを強く求めている。企業が従業員にスキルなどの向上を期待するのであれば、官僚主義を排除して真のサポートを提供する必要がある。また、リーダーの役割を従業員の意欲を起こすものにし、昇進を義務ではなくチャンスと感じられるようにしなければならない」

従業員が昇進を望まない傾向が強まっている要因としては以下のようなものがある。

ワークライフバランスへの影響の懸念

従業員が昇進を拒む主な理由として、ワークライフバランスが崩れるのではないかという懸念が挙げられる。往々にして昇進では責任が増し、労働時間も長くなり、ストレスも増えるが、それに見合った報酬が得られないことも多い。現代の労働者、特にミレニアル世代やZ世代は従来の昇進よりも柔軟性や個人のウェルビーイングを重視している。

責任の増加に見合わない報酬

昇進には昇給が伴うことが多いが、多くの従業員はその昇給が業務量の増加に見合っていないと感じている。新たに抱えるストレスや拘束時間、期待される役割に対して金銭面が引けをとる場合もあり、そうなると現在の職務にとどまる方が魅力的に感じられる。

燃え尽き症候群とメンタルヘルスの不安

燃え尽き症候群(バーンアウト)に陥る人はかつてなく多くなっており、従業員は仕事関連のストレスがメンタルヘルスに与える影響をこれまで以上に意識するようになっている。リーダーの役割を担うことへの不安が大きいために昇進を辞退する人もいる。
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翻訳=溝口慈子

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