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働き方

2025.02.25 09:00

「昇進を断る」従業員が増加中、その影響と会社が取るべき対策

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優秀な人材のための専門職の創設

企業は専門家のためのキャリア形成プログラムを設けることで、これまでリーダーに付き物だった責任を負うことなく社歴を重ね、影響力も得られる道を従業員に提供できる。専門的なスキルを重視するこのアプローチでは、優秀な人材は会社に貢献し続ける。こうした従業員が技術や創造性で秀でていることを認め、新たな役職と報酬で報いることで、昇進とは管理職に就くことだけではないことをはっきりと示すことになる。

プロジェクトベースのリーダーシップの機会の提供

常勤の管理職に就かせるのではなく、特定のプロジェクトでリーダーシップを発揮する機会を与える。達成が難しい目標を設定する「ストレッチアサインメント」を導入することで、従業員は昇進に伴う長期的な責任を負うことなく取り組みを主導し、リーダーシップスキルを応用・向上させ、社内で注目を集めるチャンスを得ることができる。

さらに、チーム内でリーダーの役割を交代で担うようにすることで、従業員は一時的に意思決定するポジションに就くことができ、リーダーの道をずっと歩むプレッシャーを感じることなく貴重な経験を積むことができる。この柔軟なアプローチは従業員の自信とスキルを向上させ、組織が次世代のリーダーを継続的に育成する体制を整えるのに役立つ。

報酬体系を見直す

企業はスキルと会社への貢献度に基づく報酬モデルを導入して報酬体系を刷新することができる。昇進する場合にのみ給与をアップするのではなく、役職に関係なく新しいスキルを習得した場合や取り組みをリードした場合、イノベーションを推進した場合などに従業員に報酬を与えるべきだ。

従来なかった役職に留まっている場合でも、高い業績を上げている従業員に金銭的なインセンティブを提供して評価することで、専門性や影響力が管理職と同様に評価されるようになる。リーダーになることをさらに魅力的なものにするために、一時的なリーダーの役割やプロジェクトベースの任務を担う従業員に奨励金を支給するというのも手だ。長期のコミットメントを求めず、金銭で評価を感じてもらえる。追加の有給休暇や福利厚生の充実、さらにはリテンションボーナス(残留特別手当)やストックオプションといった節目時に支給される報酬など追加の厚遇はリーダー職に伴う苦労を相殺し、これらの役割をより魅力的なものにする。

昇進を拒否する従業員が増えているという傾向はビジネスリーダーへの警鐘だ。適応できない組織は今後、人材の確保に苦戦することになるだろう。これからは単に昇進を目指して働くのではなく、新たな価値観に基づいてキャリアを積んでいくというのが主流になる。

「何としてでも昇進することが成功ではない」「成功とは生活に合ったキャリアを築くことであり、その逆ではない」とアビラムはまとめている。

forbes.com 原文

翻訳=溝口慈子

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