リーダーの役割への懐疑
経営陣をよく思っていないためにリーダーの役割を担うことをためらう従業員は多い。 経営陣の不適切な対応を目にしたことがあり、同じ過ちを繰り返したくないという人もいる。 また、リーダーの役割は干渉を受けやすい、あるいは意に沿わない方針に従わざるを得ないと感じる人もいる。肩書きよりスキルアップを重視
近頃の従業員は単に昇進することより新しいスキルを身につけることに関心がある。多くの従業員は、これまでのように昇進を目指すよりも専門性を高めるプロジェクトや社内での異動、あるいは社内起業の機会を望んでいる。リーダーと組織が取り得る対策
昇進を望まない傾向が強まっているという事実は、単に個人のキャリア選択というレベルの話ではなく、組織の安定性を脅かす根本的な変化だ。主要なポジションが空席のままではリーダーシップに空白が生じ、企業は非効率になったり戦略が迷走したりすることになる。リーダーの役割をいずれ担うという決まりきった道に従業員が抵抗するようになると離職率が上昇し、優秀な人材はウェルビーイングを犠牲にすることなく成長できる別の職場を求めるようになる。リーダーになる明確な理由がなければ従業員の意欲は低下する。そして会社のイノベーションは停滞し、企業文化は損なわれる。おそらく最も重要なこととして、社内でリーダーを育成できない企業は後継者育成計画でつまづく恐れがある。
「リーダーシップは成功によって称賛されることが多いが、リーダへの道は失敗の上に築かれる」とフォートゥナ・アドバイザーズのパートナー、フランク・ホプソンは話す。「企業が失敗を学習の機会として受け入れれば、より多くの従業員がリーダーになろうと思うはずだ。例えば、財務リスクを最小限に抑えながら、従業員のやる気が起きるようなインパクトのある問題に挑戦する機会を設けるといい」
この課題に対処するには、リーダーは従来の昇進モデルを再考し、従業員が何を優先しているのかを汲んで機会を創出する必要がある。その方法には以下のようなものがある。