目標は、国境をまたいだウクライナ側の北部スーミ州でウクライナ軍部隊を攻撃ドローン(無人機)で付け回している、ロシア軍のドローンチームだった。ウクライナ軍参謀本部は14日、この精密爆撃によって小隊の陣地が「破壊された」と報告している。
Yesterday, the Air Force of Ukraine carried out a precision strike on an enemy military facility near the village of Elizavetovka in the Kursk region. pic.twitter.com/JPhfD0EjxF
— Генеральний штаб ЗСУ (@GeneralStaffUA) February 14, 2025
翼を開いて滑空していき、GPS(全地球測位システム)で誘導される重量およそ120kgのGBU-39は、高高度から投下されると100kmかそこらの射程がある。ただ、ウクライナ空軍のMiG-29はロシア側の防空システムをかいくぐるため低空を飛ぶことが多く、その場合、射程はもっと短くなる。
この空爆の結果、スーミ州に対するドローン攻撃をどの程度抑えられるのかは現時点で不明だ。参考までに数字を挙げれば、ロシア軍は11日から12日にかけての夜、スーミ州のほかキーウ、ドニプロペトロウシク州、ポルタバ州、チェルニヒウ州に向けてシャヘド型攻撃ドローンを123機発射している。
もっとも、シャヘドは重量200kgほどで射程が2500kmに達する比較的重量級のドローンだ。攻撃を受けた陣地のウクライナ国境との近さ(わずか2〜3km)からして、このドローンチームが発射していたドローンはもっと小型だったと推測される。機体重量数百gで射程8kmかそこらのFPV(一人称視点)ドローンかもしれない。
いずれにせよ今回の攻撃は、米軍の用語で言う「爆発の前(left of the boom)」段階をたたくというウクライナ軍の努力の一環だったとみられる。このケースでは、ドローン攻撃を受ける前にその操縦士をつぶすというものだ。こうした努力は、ロシア軍による光ファイバー通信ドローンの使用が増えるにつれて日増しに緊急性が高まっている。