同社の「Back to Starbucks」戦略は、ロイヤリティ・プログラム会員数の増加やディスカウントの抑制などを掲げており、市場ではすでに有望視されている。その結果、スターバックスの株価は、年初来で3%上昇したS&P500種株価指数を大きくアウトパフォームしている。これに対し、スターバックスの競合にあたるマクドナルドの株価は、今年に入ってから横ばいだ。
スターバックスの株価は上昇中ではあるが、私たちは、コーヒー価格の上昇や中国市場で継続する苦境などの大きな課題により、同株は短期的には下落する可能性があると予想している。
Q1決算の概要と目標株価
Q1決算におけるスターバックスの収益は94億ドル(約1兆4500億円)で、前年同期と同水準だった。純利益は、前年同期の10億2000万ドル(約1574億円)から7億8080万ドル(約1205億円)へと減少した(1株あたりの純利益は0.69ドル)。さらに、店舗数が6%減少したことにより既存店売上高は4%減少し、4四半期連続の減少となった。米国市場においては、店舗数は8%減、既存店売上高も4%減少した。同社にとって2番目に大きな市場である中国では、平均顧客単価が4%減少したことにより既存店売上高は6%減少している。営業利益率は、営業費用の急増により前年同月比3.9ポイント悪化の11.9%となった。この数字は過去10年間における平均値である15.1%を大きく下回っており、特に米国外における戦略調整の必要性を浮き彫りにした。主なコスト増加要因としては、賃金の増加や販促活動への投資増加などが挙げられる。
過去4年間におけるスターバックス株の年間リターンは、S&P500よりも変動が少ない。同株の年間リターンは、2021年に11%、2022年にマイナス13%、2023年にマイナス1%、2024年はマイナス2%だった。
私たちは、スターバックスの2025年度における年間収益が前年比5%増の379億ドル(約5兆8500億円)に、EPS(一株あたりの純利益)は3.05ドルになると予想する。収益とEPSに対する予想を更新したことを踏まえ、予想EPSに32.9倍のPER(株価収益率)を掛け合わせた100ドルを同社の目標株価とした。
(forbes.com原文)