2024年初頭から米国記事執筆現在までのアルファベット株のリターンは37%で、これは同期間のS&P500種株価指数のリターンである約27%を上回る内容だ。投資家は、グーグルの広告事業がAIによって成長する可能性を楽観視していると言える。
Q4決算の概要
Q4決算の収益は965億ドル(約14兆6300億円)で、前年同期比12%増となった。成長を牽引したのはグーグルクラウド部門で、同部門の収益は同30%増の119億6000万ドル(約1兆8137億円)と堅調だった。「Google Search & other(グーグル検索、その他)」部門の収益は同12.5%増の540億ドル(約8兆1900億円)、「YouTube ads(YouTube広告)」部門の収益は同13.8%増の105億ドル(約1兆5900億円)だった。営業利益率は前年同期と比べ5ポイント改善の32%となった。増収と営業利益率の改善により、EPSは2.15ドルと前年同月比で31%増加した。同社は2025年度の業績見通しを発表し、年間収益は3890億ドル(約58兆9900億円)、EPSは9.07ドル程度になると予想している。
アルファベットの目標株価は?
収益が予想に届かなかったことと高額なAI投資額により、アルファベット株は決算発表後に7%急落した。もう少し長い期間を見ても、過去4年間におけるアルファベット株の年間リターンは、S&P500よりかなり不安定である。私たちはアルファベット株の目標株価を、米国記事執筆現在の株価である193ドルに近い、200ドルとしている。この目標株価は、2025年度の予想EPSである9.07ドルに、22倍のPER(株価収益率)を掛け合わせたものだ。この22倍という数字は、過去5年間の平均値である18倍よりも高い。AIが後押しする収益成長の可能性、そして継続するクラウド部門の好調さを考えると、過去の平均と比較して割高な評価倍率も正当化されうると私たちは見ている。
また、アマゾンのPERは38倍、マイクロソフトは32倍であり、他のハイテク銘柄と比較するとアルファベットのPERは低い。このギャップは、グーグルがアプリのマーケットプレイスや検索サービスを独占しているとして米国の独占禁止法(反トラスト法)違反に問われていることに起因していると考えられる。
(forbes.com原文)