2024年初頭から米国記事執筆現在までのアマゾン株のリターンは約57%となっており、同期間に28%上昇したS&P500種株価指数を上回った。また、同社はここ数年、インフラの再構築に多額の投資を行ってきたが、その成果が営業利益率の改善に表れている。これは同社の株価にとって好材料だ。
Q4決算の概要
Q4決算における収益は、前年同期比10%増の1878億ドル(約28兆8400億円)だった。セグメント別の収益を見ると、「北米」セグメントが同10%増の1156億ドル(約17兆7600億円)、「インターナショナル」セグメントが同8%増の434億ドル(約6兆6700億円)、「AWS」セグメントが同19%増の288億ドル(約4兆4200億円)であった。営業利益率は、利益率の高いAWSセグメントの貢献率が上昇したことにより前年同期と比べ3.5ポイント改善し、11.3%となった。収益の増加と営業利益率の拡大により、EPSは前年同期比86%増の1.86ドルだった。アマゾンが発表した2025年度Q1の業績見通しでは、収益が1510億ドル(約23兆1900億円)から1555億ドル(約23兆8800億円)の範囲とされ、市場予想の1585億ドル(約24兆3400億円)を下回った。この業績予想には、為替のマイナス影響として21億ドル(約3200億円)が含まれている。さらに同社は、AI投資を継続することを示しており、今年の資本支出額の見通しを1000億ドル(約15兆3600億円)に引き上げた。アマゾンは、生成AIサービスの需要急増に対応するため、インフラの拡大に注力している。
アマゾン株の目標株価は?
アマゾンは明るい第4四半期決算を発表したが、2025年度Q1の業績見通しが予想に届かなかったこともあり、株価は決算発表後の時間外取引で下落した。もう少し長い期間を見ても、過去4年間におけるアマゾン株の年間リターンは、S&P500よりもかなり不安定だ。私たちはアマゾンの最新決算を反映した目標株価を近日中に更新する予定だが、アマゾン株にはほとんど上昇の余地がないと考えている。米国記事執筆現在の株価で計算したアマゾン株の株価売上高倍率は3.9倍となっており、これは過去5年間の平均値である3.2倍を上回っている。投資家はアマゾンの収益性向上を反映し、同社への評価を引き上げている。しかし、アマゾンの最近の業績と将来の見通しを考慮すると、アマゾンへの評価がさらに上昇する余地は少ないと私たちは考えている。
(forbes.com原文)