この取り組みの中心となるのが、ルイジアナ州の北東部に建設する100億ドル(約1兆5200億円)規模のデータセンターだ。フランス語で砂糖を意味するSucré(シュクレ)と呼ばれるこの施設の敷地面積は、メタの世界20カ所にあるデータセンターの中で最大級の約37万平方メートルに達するとされている。
このデータセンターにおいては、数千台のエヌビディア製GPUであるH100を稼働させるために、一般家庭200万世帯以上の消費電力に相当する2.23ギガワットの電力が必要となる。メタは、地元の電力会社Entergy(エンタジー)に32億ドル(約4800億円)の初期費用を支払って、高効率の天然ガスタービン2基から生まれる電力の供給を受ける予定だ。同社はまた、道路や水道システムを含む関連インフラ整備に2億5000万ドル(約380億円)を投じる予定で、ピーク時には最大5000人の雇用が生まれるとしている。
このプロジェクトは本当に実現するのか? そして、中国のDeepSeek(ディープシーク)が登場したことで最近明らかになったように、高度なAIの構築が当初の予想よりも低コストかつ省エネルギーで可能になるかもしれない中で、果たしてこの計画は妥当と言えるのだろうか?
筆者は、この疑問について、データセンターのエネルギーコストに詳しいコンサルティング会社East Daley Analyticsのアナリストであるザック・クラウスに話を聞いた。彼は、各社のデータセンタープロジェクトを追跡し、その実現可能性や開発業者がどのように電力を確保しようとしているかを分析している。クラウスは、この分野に投資を行う機関投資家のクライアントに対し、最新のテクノロジー分野における動向を過剰に懸念しないよう助言している。
「私たちは、短期的にはこの市場が最新のテクノロジーに対して過剰反応していると考えている」とクラウスは指摘する。彼のリストには、建設が現実的に進む可能性のある290件のデータセンタープロジェクトが含まれている。