そうして見つかった従来型の仕事のうち、5年後にも残っているのはわずか15%で、残りの約85%は2030年の世界には存在しない。なぜだろうか?
それは「パッション・エコノミー」と呼ばれる新しいタイプの経済圏があるからだ(訳注:パッション・エコノミーは、個人の想いや価値観、知識・スキルに基づいたサービスを提供し、収益化する経済圏のことを指す)。
世界経済フォーラムは2022年に「パッション・エコノミーが主流になることで、人が本来持っている好奇心を活かした新しい種類のキャリアが当たり前になるだろう」と予測している。そして、多くの人々が、パッション・エコノミーの最も重要な構成要素である情熱を追うため、現在勤めている仕事を辞めつつある(あるいは辞めようと考えている)。
FlexJobsが3000人以上の米国人を対象に行った2024年の調査によれば、回答者の61%がキャリアアップの選択肢を検討する際「意義のある仕事」であることを優先しているという。
私たち人間は、仕事に満足と喜びを見出すようにできている。結局のところ、仕事は人生の少なくとも3分の1を過ごす場所なのだ。しかし、時には、その仕事が有害とまでは言えなくとも、あなたの成長や創造性を阻害してしまう場合もある。その場合、たとえ給与や労働条件が申し分ないものだとしても、心の奥底では自分がいるべき場所はそこではないと感じていることだろう。
「楽しい仕事を見つければ、一生働かなくてもよくなる」という言葉がある。しかし、その本当の意味は何だろうか?
好きな仕事を見つけるための答えは、必ずしも企業が提供するものではない。多くの場合、解決策は自分の中にあるのだ。あなたの趣味や、強い関心を持っていることのなかで、副業として収益化できるものがあるかもしれない。そして、一度始めたら、もっと早く始めればよかったと思うはずだ。情熱に従うのが遅れるのは、無力だからではなく「時間がない」「専門家ではない」「お金にならない 」といった言い訳のためだ。
しかし、もしあなたが創造的で革新的な人なら、そうした精神的な壁を乗り越え、枠にとらわれない発想をすることができるだろう。