注意がそれないようにするには、次のような方法がある。
・意識的に「1つのタスクに集中」する
マルチタスクは作業のスピードと効率を低下させる。複数のタスクを同時にこなすのではなく、毎回1つのことに集中する。作業中は不要なタブを閉じ、通知をオフにして邪魔の入らないまとまった時間を確保する。・「いつでも再開できる」ようにする
別のタスクに移る前に、30秒ほど時間を取ってどこで作業を中断したかを書き留めておく。そうすることで頭の中が整理されて注意の残余が減り、作業に戻った際に再び集中しやすくなる。・邪魔が入らないようにする
スマホの通知や電子メール、周囲の雑音など、気が散るものを特定して邪魔が入らないようにする。端末を見ない時間を設けたり、邪魔を遮断する「集中作業」の時間をスケジュールに組み込んだりする。・頭を切り替える時間を設ける
タスクを切り替える際にはリセットするための時間を設ける。新しいタスクに取り掛かる前に深呼吸を数回したり、ストレッチをしたり、手短に反省したりする。注意を引くものにひっきりなしに反応するのではなく、注意力を管理することで気持ちがすっきりし、ストレスが軽減され、時間にゆとりを感じられるようになる。だが、時間病にはもう1つの側面がある。何に集中するかだけでなく、感じ方という側面だ。
3. ペースを落とし「今」を味わう
いつも次のタスクへと急いでいると、人生をありのままに体験する機会を自ら奪うことになる。言い換えると、残された時間が少ないことを心配するのではなく、今現在に完全に集中していると時間の感覚が広がる。専門誌『マインドフルネス』に2017年に掲載された研究では「気質的マインドフルネス」とも呼ばれる、今現在により注意を払うこと、そして意識的にポジティブな経験を味わうと、日々の前向きな感情と全体的な心の健康が高まることがわかった。
9週間にわたってマインドフルネスとポジティブな経験を味わうことが多かった参加者は前向きな感情の度合いが高まり、うつ症状が少なく、生活満足度が向上した。