・生産性で時間の価値を評価しない
あなたの価値は1日にどれだけ多くのことを成し遂げたかによって決まるわけではない。 完了したタスクだけでなく、意味のある瞬間にも目を向けよう。 静かなコーヒータイムや友人との会話、あるいは数分間の深呼吸など、1日の終わりに心からの喜びや人とのつながりを感じた瞬間を1つか2つあげる。・「完璧な予定表」に固執しない
昇進や自分が定めた目標などの厳しい達成期限に固執するのではなく、柔軟な「期間」を設定する。大きな目標を1つ書き出し、達成するための現実的かつ小さなステップをいくつかリストアップする。人生が予期せぬ方向に向かった場合でも柔軟に適応できるようにする。・時間と競わない
時間に追われるのではなく、時間を味方につけよう。現実的な予想を立て、休息をとり、ペースを落とすことで充実感が高まることが多いことも認識したい。週の初めに仕事と意図的な「自分の時間」を織り込んだスケジュールを作成して現実的な予想を立てよう。こうしたバランスが仕事と私生活の両立の維持につながる。時間を敵視するのではなく味方にすることで、健全で計画的なスケジュールの基盤を築くことができる。そして次に重要になるのは、注意をそらすものが溢れる現代社会において、新たに生み出された時間と注意力を守る方法を学ぶことだ。
2. 時間だけでなく注意力も管理する
現代の暮らしには注意をひくものが数多くあり、その中でうまくやっていくにはマルチタスクが唯一の方法であるかのようだ。朝食中に電子メールをチェックする、職場で複数のタスクを同時にこなす、家庭で会話しながら家事をするといったことが生産的だと思い込みがちだ。だが実際には、注意散漫になっている。国際的に著名な学者で米ワシントン大学の教授でもあるソフィー・ルロイ博士は、タスクの切り替え時に前のタスクに注意の一部が残ってしまうことを「注意の残余」と表現した。
専門誌『オーガニゼーション・サイエンス』に2018年に掲載された研究で、ルロイと共著者は、時間的制約がある中で終えていないタスクに再び取り組むことが予想される場合、注意の残余が生じ、目下取り組まなければならないタスクに集中することが難しくなると指摘した。