だが、散らかるのは机やクローゼットに限ったことではない。人間関係やスケジュール、デバイス、さらには心の中も気づかないうちに雑然となる。突然、自分の手に負えないほどの物事を抱え込み、集中力を失い、ストレスにさらされ、そして終わりそうにないサイクルから抜け出せないという感覚に陥る。
もう少しすっきりとさせたい、コントロールしたい、あるいはほんの少しでも平穏が欲しいと思ったことがあるのはあなただけではない。安心して欲しい。それらを実現するために生活全体をひと晩で大幅に変える必要はない。
人生の4つの重要な分野における断捨離に集中することで、あなたの心と身体、そして魂にインパクトの大きな影響を与えることができる。
1. 物理的空間の断捨離
モノが散らかっていると単に家の中のスペースを占めるだけでなく、精神的なエネルギーを消耗させ、あなたが思う以上に全体的なウェルビーイングに影響を与える。2023年の研究によると、大学生から高齢者までのあらゆる年齢層において、過剰にモノをため込むと人生の満足度とウェルビーイングが著しく低下する。散らかっていると住みにくくなり、住まいの機能性が低下し、精神的な負担が生じる。単に不便なだけではない。研究者らは散らかりがストレスの増大や暴食、さらには仕事関連の緊張につながることを強調している。実際、家やオフィスが散らかっていると生活の質全体を密かに下げている可能性がある。
では、何が断捨離を難しくしているのだろうか。研究では、断捨離を主に阻むものとして優柔不断さと先延ばしする性質を指摘している。なかなか物事に取り掛かろうとしない性格で、どこから手をつけてよいかわからないほど散らかっていると回避につながることが多い。だが、実行可能な小さな取り組みを重ねることで、こうした行動を阻む精神的な要素を克服することができる。
今日から始められるいくつかのステップを紹介しよう。
・「散らかりやすい場所」から始める
ベッド横のテーブルやキッチンカウンターなど、狭くインパクトのある場所を選ぶといい。そこをきっちりと片付け、前後の違いを体験する。・タスクを15分刻みで実行する
タイマーをセットして、引き出しや棚、コーナーなど一度に1カ所を断捨離することに集中する。小さな成果はすぐに積み重なる。・「物を1つ増やしたら1つ処分する」のルールを取り入れる
大幅に断捨離したいなら、新しい物を1つ手に入れるごとに必要ないものを1つ手放す。・「私の役に立っているか」と問う
価値や喜びをもたらさない物なら罪悪感なく処分するときだ。小さな取り組み一つひとつが物理的な環境だけでなく、精神の落ち着きや心の平穏にも波及する。小さなことから始めて、些細な変化が気分を大きく変えるのを体験してみよう。