ヘリオンは1月28日、ソフトバンクらが参加した資金調達ラウンドで4億2500万ドル(約647億円)を調達したと発表したが、これに先立ちアルトマンは、個人で3億7500万ドル(約570億円)を出資し、同社の会長を務めている。また、スターゲート計画のパートナーであるマイクロソフトも、2028年までに完成予定のヘリオンの核融合発電所から電力を購入するための契約を結んでいる。
しかし、このスケジュールについては、一部の物理学者が懐疑的な見方を示している。
スターゲート計画はまだ、電力の供給パートナーを決定していないが、いくつかの候補を検討中だと事情に詳しい関係者がフォーブスに語った。OpenAIは先週、このプロジェクトに向けて、米国内からの提案を募集すると発表し、4月初旬までにその選定を行うと述べていた。
ヘリオンのデービッド・カートリーCEOは、同社がスターゲート計画との契約を目指しているかについて明言を避けたが、「スターゲート計画はすばらしい顧客になり得る」と語った。「当社は、大規模な産業用クリーンエネルギーを提供するために設立された企業であり、データセンター向けに最適な電力を供給できる。このようなプロジェクトにとって、当社は完璧な選択肢になる」とカートリーはフォーブスに語った。
マイクロソフトとソフトバンクはコメントを避けた。
世界最大のAIインフラを支える大規模データセンターを建設するための民間プロジェクトであるスターゲート計画は、トランプ大統領によるAI関連の発表の中で最も野心的な取り組みで、パートナーには半導体企業のARM(アーム)やエヌビディア、オラクルなどが名を連ねている。このプロジェクトの運営はOpenAIが担い、ソフトバンクの孫社長が会長として資金調達を担当している。「これは黄金時代の始まりだ」と孫はホワイトハウスの記者会見で語っている。
しかし、このプロジェクトは早くも課題に直面している。イーロン・マスクは、この計画の発表当日に、出資者が十分な資金を持っているかに疑問を呈した。さらに、中国の無名スタートアップであるDeepSeek(ディープシーク)が、わずか560万ドル(約8億5000万円)で開発したと主張する強力なオープンソースのAIモデルを発表し、スターゲートの必要性に疑問を投げかけている。