そうした例を挙げながら、AIの進化によって社会は到達できないと思われていた領域にたどり着けると彼はいう。
また教育カリキュラムに関しては、より根本的にAIによって変わる領域だとアルトマン氏は位置づけている。
「AIの進化によって学習方法が変わり、個別最適化された教育が普及する。(画一的な教育ではなく、得手不得手などを踏まえて)学生が最も効率的に学べる環境が整う」とアルトマン氏は語る。
開発者たちとの質疑応答
一方、「OpenAI Builder Lab」では、OpenAIが発表したばかりのエージェント機能など、具体的なAIサービスやツールへの質問、要望が相次いだ。アルトマン氏は「今後はより高い推論能力を持つ『新しいGPTシリーズ』が登場すると同時に、質問応答の域を超えて複雑なタスクをこなすエージェント型AIが台頭する」と予想した。
実はOpenAIは新たに「Deep Research」を発表したばかりだ。
この機能はインターネットなどを通じ、関連すると考えられる情報を収集、整理、優先順位などの重みづけも行い、それらを集約して1つののレポートとしてまとめてくれる機能だ。
「人間が数日かけて行うような情報収集を、AIが数分、長くとも15分程度で行ってくれる」とウェイル氏は説明。アルトマン氏はこうしたエージェントが、今後どんどん進化していくと示唆した。
国ごとの文化や言語ごとに異なる理解力のチューニングに関しても関心が高かったが、「(今後登場する)新しいモデルではさらに日本語の理解力が大幅に向上し、日本の文化や言語により適応したかたちで進化していく」(アルトマン氏)と自信を見せていた。
AIの制約や倫理的課題について「AIの自律性が高まることで、人間の役割がどのように変わるのか」との問いには「人間は引き続き創造的な仕事に集中し、AIと共生する社会を構築することが重要だ」と語っている。