WSJによると、同社は最大400億ドル(約6兆2000億円)の調達に向けて初期の交渉を進めているが、事情に詳しい複数の関係筋の話によると、この取引はまだ流動的であり、決裂する可能性もあるという。
この調達が実現すれば、OpenAIの評価額は3400億ドルとなり、昨年10月に66億ドル(約1兆円)を調達した際の評価額である1570億ドル(約24兆2000億円)の2倍以上になる。
WSJは、日本のソフトバンクがこの調達ラウンドを主導し、150億〜250億ドル(約2兆3000億〜3兆9000億円)を出資する可能性があると29日の記事で報じていた。OpenAIは、フォーブスのコメント要請にすぐには応じなかった。
イーロン・マスクが所有するxAI(エックスエーアイ)は、昨年秋に約500億ドル(約7兆7800億円)の評価を受けていた。アマゾンが支援するAIスタートアップのAnthropic(アンソロピック)は180億ドル(約2兆8000億円)と評価されており、新たに600億ドル(約9兆3000億円)の評価額を目指す調達に向けた交渉を進めていると報じられている。
一方、中国のDeepSeekの評価額は、少なくとも10億ドル(約1550億円)に達するとアナリストは述べているが、同社の価値は、現状の収益がほとんどないにもかかわらず、それを大きく上回る可能性があるとも指摘されている。ロイターは、マイクロソフトとメタがそれぞれの会計年度で800億ドル(約12兆3000億円)と650億ドル(約10兆円)をAI分野に投じる予定だと報じている。
米国のAIスタートアップの中で最高の評価額を誇るOpenAIは、2023年から2024年にかけて評価額を4倍以上に伸ばしていた。非営利で運営される同社は、昨年8月時点で月間3億ドル(約460億円)の収益を上げており、2024年の年間売上高を37億ドル(約5700億円)と見込んでいるとニューヨーク・タイムズは報じていた。
OpenAIはまた、トランプ大統領が支援するAIインフラ構築プロジェクトの「スターゲート」で、オラクルやエヌビディアと並ぶ中心的存在とされている。この計画は、全米に複数のAIデータセンターを建設し、数十万人規模の雇用を創出することを目指している。
一方、OpenAIなどのAIスタートアップへの巨額の投資には、中国のDeepSeekが、米国の競合よりもはるかに低コストでAIモデルを開発したと主張したことを受けて、疑問視する声も上がっている。DeepSeekは、わずか560万ドル(約8億6000万円)のコストでAIモデルを訓練したと述べている。しかし、バーンスタインのアナリストのステイシー・ラスゴンらは、実際には「かなりの額の追加のコストがかかっている」と述べて、この数字に懐疑的な見方を示している。
(forbes.com 原文)