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健康

2025.01.23 16:15

口腔体操は「居眠り運転」を防ぐ鍵となるか

プレスリリースより

プレスリリースより

近年、タクシーやトラック運転手の居眠り運転による重大事故が目立っている。人手不足が慢性化する中、職業ドライバーの健康管理は企業の重要な課題となっている。安全運転が求められる職業では、睡眠時無呼吸症候群(SAS)対策は早急に取り掛かるべき問題だろう。
 
こうした状況の中、日本交通株式会社と株式会社オクチィが共同で行った「口腔体操」の実験結果がこの度発表された。職業ドライバーを対象にしたこの実験は、口腔体操がSASの改善に役立つことを示した。


 この実験は2023年12月から2024年3月までの3か月間、日本交通赤羽営業所に所属する30名のタクシー乗務員を対象に実施された。

口腔体操は、舌や頬、口周りの筋肉を鍛えることで気道の閉塞を軽減し、SASの改善を促すものである。これまで軽度から中等度のSAS患者を対象とした研究で一定の成果が報告されてきたが、今回の実験は職業ドライバーを対象に行われたことが非常に興味深い。
 
参加者は動画コンテンツを活用して、舌や頬、軟口蓋を動かす1日10分の口腔体操を毎日実施。また、オクチィのスタッフが週2回訪問し、進捗状況や実施状況を確認した。実験の効果測定は、開始時・中間時・終了時の3回にわたり行われ、以下の結果が得られた。
 
◾️無呼吸低呼吸指数(AHI):平均20.9回(1時間あたりの無呼吸・低呼吸の合計)から、16.9回へと約19%減少。
◾️口唇閉鎖力:平均18.8N(ニュートン)から20.7Nへと向上。
 

さらに「口腔体操をして一番変わったことは?」というアンケート調査では、34%の参加者が「顔や口、頭がスッキリした」と回答。ほかにも「無呼吸について知ることができた」という気づきや、「いびきが減った」「寝つきが良くなった」など睡眠の質の向上を実感する声も寄せられた。3ヶ月に渡るこの実験の様子は、ドキュメンタリー動画でも見ることができる。

今回の実験結果は、口腔体操がSASの症状を軽減する効果を示すだけでなく、簡単に取り組める方法としての可能性を示した。SASの治療には、睡眠時に専門器具を装着するCPAP療法やマウスピース(口腔内装置)療法、外科的手術、生活習慣の改善などが求められる。もし1日10分の口の体操で睡眠の質が改善し、ドライバーの健康維持と安全運転につながるのであれば、試さない手はない。職業ドライバーに限った話ではなく、睡眠の質に疑問を感じている全世代にとっても興味のあるトピックではないだろうか。
 
人手不足や労働環境の厳しさが続く中で、企業はドライバーの健康を守りながら、利用者により良いサービスと安全を提供しなくてはならない。口腔体操の習慣は、それらの課題解決の一助となるのかもしれない。
 
プレスリリース

文=福島はるみ

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