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2025.01.20 13:00

「中国版エヌビディア」と呼ばれるカンブリコン、創業者の資産が1.5兆円突破

カンブリコン・テクノロジーズの陳天石CEO(Visual China Group via Getty Images/Visual China Group via Getty Image)

カンブリコンの共同創業者である陳は、幼少期から神童として知られ、16歳で安徽省合肥にあるハイテク分野のエリート校の中国科学技術大学に入学を認められた。同大学でコンピュータサイエンスの博士号を取得した彼は、2010年に政府直属の最高研究機関「中国科学院」の研究者となり、2016年にカンブリコンを設立した。

調査企業カウンターポイントのアナリストによると、カンブリコンの技術は、全体的にはエヌビディアに遅れを取っているが、同社の製品は中国国内における特定の用途にはより適合する可能性があるという。

中国のAI企業にチップを提供

2023年のカンブリコンの年次報告書によれば、同社のカスタマイズされたチップは、中国のAIスタートアップの百川智能(Baichuan AI)や智象未来(HiDream.ai)などのAIモデルの開発に使用されたという。同社はまた、他の地元のインターネット企業向けに、コンピュータビジョンや言語処理用にチップを最適化したとされる。

カンブリコンの2024年の売上高は、前年比69.2%増の12億元(約256億円)に達する見通しで、損失は前年比53.3%減の3億9600万元になると予測されている。

しかし、ワシントンD.C.に拠点を置くコンサルティング会社DGA-Albright Stonebridge Groupのポール・トリオロは、エヌビディアに追いつく可能性があるのはカンブリコンではなく、ファーウェイだと述べている。

「ファーウェイのGPUのAscend 910シリーズは性能が向上しており、間もなくエヌビディアのA100に匹敵する可能性がある。中国の主要なGPU設計会社は今後、ファーウェイと提携したり、吸収されたりする可能性がある」とトリオロは指摘した。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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