アジア

2025.01.20 10:30

中国、2024年成長率目標「約5%」を達成 景気刺激策が奏功

Shutterstock.com

Shutterstock.com

中国経済は2024年に5%成長し、公式目標である「約5%」を達成した。昨年後半に導入された刺激策が機能し始めているようだ。

中国国家統計局が中国時間1月17日に発表したところによると、世界第2位の経済大国である中国は、海外および国内における課題が増す中でも成長目標を達成したという。ただし、不動産危機は4年目に入り、依然として成長の重荷となっている。消費者支出は低調で、経済の先行きが不透明な状況下、家計は現金の貯蓄を優先する傾向が続いている。国際的には、先端技術や貿易をめぐって米国との対立が続いている。

当局は昨年9月、利下げや銀行の融資枠拡大に向けた追加資金、地方政府向け1兆4000億ドル(約218兆9000億)規模の債務交換プログラムといった大規模な刺激策を導入した。その結果、工業生産など一部の経済活動が活性化したようだ。中国国家統計局によれば、2024年第4四半期の国内総生産(GDP)は予想を上回る5.4%の伸びを示した。習近平国家主席は成長目標の達成に向けた取り組み強化を呼びかけていた。

上海に拠点を置く調査会社フートン・リサーチのパートナーであるグオ・シャンはWeChat上で、「第4四半期のデータは予想以上に好調で、中国が年間成長率目標を無事に達成するのに貢献しました」と述べている。

グオは2025年についても、中国が引き続き5%の成長目標を掲げると予想している。フランスの投資銀行Natixisでアジア太平洋地域担当チーフエコノミストを務めるアリシア・ガルシア・エレーロ(香港在勤)はWeChat上で、「今年最初の3カ月間は成長の勢いが持続するかもしれません。企業がトランプ政権の新たな関税措置を回避するため、輸出を前倒しする可能性があるからです」と指摘している。

ただし、地政学的な緊張の高まりのなかで、中国の輸出がどの程度持続力を保つかは不透明だという。グオによれば、当局は経済を下支えするため、さらなる財政刺激策を打ち出す可能性がある。子育て世帯への現金給付や社会保障費の拡充を目的として、1兆人民元(約21兆2560億円)規模の予算を確保する案も検討されているようだ。

「北京当局は財政赤字を4%程度に設定し、一般的な公共支出に1兆人民元以上を割り当てる見通しです。成長の足かせになる分野には、支援が行き渡るはずです」とグオは述べている。

forbes.com 原文

翻訳=酒匂寛

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事