業界を支配するDJIをはじめとする中国メーカーは、米国のドローン市場で75%超のシェアを握り、ホビー用では90%を超える。中国メーカーを締め出せば状況は激変し、大きな空白が生じることになる。
実際に規制するかどうかは、20日に発足するドナルド・トランプ次期政権の判断に委ねられる。何が問題で、どのような結果が考えられるだろうか。
競争に勝ったDJI
2010年代初めには、米国のドローン市場では米国の大手メーカー数社が競合していた。3Dロボティクス、スカイディオ、ティールなどだ。そのすべてを打ち負かしたのが、中国の深圳に本社を置くDJI(大疆創新科技)だった。2013年1月に発売された同社のドローン「Phantom」は、箱から出してすぐに飛ばすことができ、空中からの撮影を誰でも手軽にできるようにした。DJIは事業の拡大に成功する。垂直統合を進めた結果、自社の要件にぴったり適合したカメラなど電子部品を自前で調達できるようになり、既存の部品に合わせてドローンを設計する必要はなくなった。得た利益を研究開発につぎ込み、エンジニアを大量に雇用して高性能で使い勝手のよいソフトウェアも開発した。
DJIは新たな市場を切り開いていった。ホビーユーザーや写真家、映像制作者向けの小型ドローンのほかに、農業や産業、ファーストレスポンダー(消防や警察、医療などの初動対応者)用に新たに大型ドローンも投入した。最新製品で価格200ドル弱(日本では税込3万3000円)の「Neo」は、ドローンというほどのものはいらないという人向けのドローンだ。Neoはむしろ、「みずから飛行して空中から自撮りしてくれるカメラ」と言ったほうがいい製品で、斬新な動画コンテンツを手軽に制作したいブイロガーなどに売り込まれている。実際、米テック系メディアのエンガジェットでは2024年の「カメラ・オブ・ザ・イヤー」と紹介されている。