Bloks Groupを創業した朱偉松(42)は、この上場によりビリオネアの仲間入りを果たした。今から約10年前に中国のゲーム企業Yoozoo(遊族網絡)を離れた朱が創業した同社は、レゴブロックのような玩具やフィギュアを製作している。
香港の調査会社Everbright Securitiesのストラテジスト、ケニー・エンは、「BloksのIPOに殺到した個人投資家たちは、同社が同じく香港市場に上場するPop Mart(ポップマート)の成功を再現することを期待している」と述べている。ブラインドボックスと呼ばれる中身が見えないカプセルに入れたフィギュアを販売するポップマートの株価は、ここ1年で300%以上の上昇を記録しており、同社を創業したワン・ニン(王寧)の保有資産は、72億ドル(約1兆1400億円)に達している。
Bloksの目論見書によると、同社は一部の製品をブラインドボックスのフォーマットで販売している。
朱の起業家としてのキャリアは、2009年に上海を拠点とするゲーム開発会社の游族網絡を、今は亡きリン・チー(林奇)と共に立ち上げたことから始まった(林は、中国のベストラー小説『三体』のネットフリックスによるドラマ化作品のプロデューサーの1人で、2020年に同僚によって毒殺されたと報じられた)。
朱は、自身の息子のために満足できる玩具を見つけられなかったことから、クオリティの高いプロダクトを開発するためにBloksを立ち上げたとされている。同社は、初期の頃は幼児向けのレゴ・ブロックに似た製品を作っていたが、2022年に本格的な組み立て式の玩具のラインを立ち上げて、今ではこの部門が売上の大半を占めるまでに成長した。
Bloksは日本のウルトラマンのキャラクターに基づく製品を製造・販売するための非独占契約を結んでおり、これが現在の主力商品ラインとなっている。同社の2024年上半期の売上高は前年同期比238%増の10億元(約220億円)に達したが、損失も前年同期比25.7%増の2億5500万元(約55億円)に膨らんだ。目論見書によると、Bloksは少なくとも2021年以降、赤字が続いている。
Aequitas Researchのアナリストであるクラレンス・チュウは、同社の急成長する売上がその評価を正当化する可能性があると述べている。しかし、Everbrightのエンは、Bloksが今後も収益化に苦戦する可能性があると指摘している。
「Bloksは、時価総額が2000億香港ドル(約4兆円)を超えた今も、赤字のままだ。他のすべての玩具メーカーが黒字化を果たしている中で、彼らは利益を出すことを迫られている」とエンは指摘した。
(forbes.com 原文)