4. テクノロジーとZ世代のデジタルスキルを統合する
デジタルネイティブであるZ世代は、ほかの世代に比べてAI技術を受け入れやすい立場にある。一方で、HRD Connect (HRDコネクト)によれば、Z世代はAIの影響を最も心配している世代でもある(これはおそらく、彼らのテクノロジーリテラシーの高さから来るのだろう)。企業は、Z世代の人材を引き付けて定着させるため、彼らの期待に添うテクノロジーインフラを構築しなければならない。これは理にかなっている。テクノロジーに精通した従業員を求めるのであれば、そのスキルを発揮できるインフラを構築すべきだ。ただしそのインフラには、AIに関する明確で支援的な方針とともに、人とテクノロジーの統合をサポートする文化も含まれていなければならない。
多くの先見性があるリーダーにとっては、コーチングが、技術的スキルと社会的スキルの統合に役立つ可能性がある。そうすることで、Z世代が仕事の未来をもたらしてくれるだろう。
5. ウェルビーイングとワークライフバランス
ギャラップとWalton Family Foundation(ウォルトンファミリー財団)のリポートによれば、Z世代の感情は複雑だ。Z世代は、ほかのどの世代と比べても、メンタルヘルスの状態が悪いという研究結果もある。デロイトによれば、Z世代とミレニアル世代の約半数(それぞれ52%と49%)が燃え尽きを感じている。2022年は、それぞれ46%と45%だった。この調査では、世界保健機関(WHO)の基準を用い、仕事中に経験する具体的な感情について尋ねている。その結果、Z世代の働き手の3分の1以上が、いつも、またはほとんどの時間、疲労を感じており、35%が自分の仕事に距離を感じており、42%が自分の能力を発揮することにしばしば苦労していることがわかった。ミレニアル世代も同様の傾向が見られた。
中間管理職が削減され、セルフリーダーシップとAIが推進される時代に、Z世代にとって働きやすい仕事の未来を実現するには、ウェルビーイングとつながりに焦点を当てる必要がある。実際、安定を求めることがキャッチ22的な状況を生む現状において、燃え尽きと、ウェルビーイングに関する課題は、Z世代が最も深刻だ。しかし、生成AIの導入を進める企業にとっては、Z世代こそが「足りない部分を埋める存在」になるかもしれない。
生成AIの導入は、人々を通じて起きる。ChatGPTをはじめとするプラットフォームの技術が進歩を続ける今こそ、最も重要なオペレーティングシステムを忘れてはならない。それは、人間というオペレーティングシステムだ。
不安や不確実性を感じているとき、高い能力を発揮しようという姿勢は保ちにくい。Z世代にとっては、管理職が消えつつある一方で、つながりとメンターシップの必要性はかつてないほど高まっている。
(forbes.com 原文)