リーダーシップ

2025.01.20 14:00

年間ではなく、計画は「私・私たち・世界」の3次元で目標設定してみる

Jozef Micic / Shutterstock

ステップ2:「3次元の座標軸」における目標を明確にする

次に、「気づくこと」から、「具体的な構想」へとシフトしよう。前述した私、私たち、世界という3つの次元で、特に力を入れて達成したいことは何だろうか? 

私:個人的な成長、健康、達成感などが入る。
私たち:親しい人たちとの関係、チーム、身近なコミュニティが含まれる。
世界:その人が社会や地球に及ぼす、より広範な影響が対象となる。

これら3つの次元において、明確で実行可能な目標を立てれば、自らが取り組むべき事柄のロードマップを作成できる。

例えば、「私」の次元の目標としては、身体面での健康状態の改善などが考えられる。「私たち」の目標は、チーム内における意思疎通の深化などになるだろう。「世界」の目標には、自分が属する組織内での持続可能性に関するイニシアチブの推進などが含まれるはずだ。これらの優先事項を明確に定義することで、目標を持ったリーダーとしての行動のフレームワークが作成できる。

ステップ3:時間やエネルギーの投入先を、優先すべき事項と一致させる

この最後のステップが、実際の変化が起きる部分だ。影響領域を洗い出し、3つの次元別の目標が明らかになった今こそ、行動を起こすタイミングだ。

・もはや目標の達成に役立っていない、と判断されたタスクはやめてしまおう。
・今すぐ関心を向ける必要がないタスクについては、先送りしていいだろう。
・自分以外の人にもできることについては、権限を移譲しよう。
・優先すべき事項と方向性が一致する事柄には、より積極的に取り組もう。

このプロセスを経ることで、意図を持ってエネルギーを向ける先を軌道修正し、複数の次元で掲げた目標に向かって確実に前進するために、時間やエネルギーを投下することが可能になる。

例えば、同僚のメンター役を務める(「私たち」の次元)ことで、働き手としての自分の充実感が高まり(「私」の次元)、ひいては前向きな職場文化を育む(「世界」の次元)ことも可能になるだろう。

やるべきことが多すぎて対応できなくなるのを防ぎたいなら、次の四半期は、どれか1つの領域に絞り込んでそこに集中するといい。「自己」の領域を選んで心身両面の健康を最優先する。あるいは、「職場」の領域を選んで、有意義な変化の推進役になる、といった例が考えられるだろう。このような一点集中の取り組みであれば、余力を保ちながら、タスクに取り組むための勢いも得ることができる。
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翻訳=長谷 睦/ガリレオ

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