米ペンシルベニア大学のビジネススクール、ウォートン・スクールの研究者であるキャサリン・ミルクマンは「フレッシュ・スタート効果 」についての研究で掘り下げている。ミルクマンによると、新年や誕生日、新しい季節の始まりには新たなスタートを切るという感覚が得られるため、やる気が起きる。これは恋愛関係においては特に影響が大きい。
ミルクマンの研究によると、立春のような変哲もないひとときさえ目標を設定しようという気持ちにさせることがわかった。人は立春の日に目標を設定することが他の日の3.5倍多く、これは季節の移り変わりが成長と変化を促す力を持つことを浮き彫りにしている。カップルが関係を解消し、新たな目標に向かって進みたいという気持ちに駆られるのはこのためだ。
季節の変化はホルモンにも影響を及ぼし、感情や生理機能が影響を受ける。例えば、2016年の研究によると、男性ホルモンの一種であるテストステロンのレベルは冬に低くなる傾向があり、暖かくなると上昇する。
春にテストステロン値が上昇すると人は探索や活動への欲求が高まり、静かな冬の間に盛り上がった関係から遠ざかる可能性がある。このようなホルモンの変動により、季節の変わり目には冬ごもり恋愛はさほど充実したものでないと感じさせる可能性がある。
2. 大半の人は間違った理由で冬ごもり恋愛をする
カップルの一方が冬ごもり恋愛は冬が終わっても続くと期待し、もう一方は寒い季節を乗り切るための一時的な関係だと考えている場合がある。このような考えのズレは失望を招き、やがて春が来た途端に別れることになりかねない。恋人なしでいることや孤独を感じることへの恐れから、本心から望んでいるわけでも思いが募っているわけでもないのに、安心感や誰かとつながっているという感覚を得るために交際に踏み切ってしまうこともある。だが、こうした始まりでは交際は長続きしない。なぜなら、こういったカップルを結びつけているのは本質的な価値観の一致や真の相性の良さではなく、状況的なものだからだ。