アジア

2024.12.26 09:00

韓国の戒厳令騒動は「最悪の経済的自傷」 2025年、政治混迷が重大リスクに

韓国の尹錫悦大統領(Gints Ivuskans / Shutterstock.com)

韓国国会で12月14日、尹に対する弾劾訴追案が可決されたことは、韓国で過去にほとんど例のないほどの不確実性を生み出した。180日以内に憲法裁判所が判断を示すまでの間、経済に関する信頼感は不安定な状態が続くことになる。
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李も希望の光を見いだそうとしていないわけではない。「国内の金融・外国為替市場のボラティリティー(変動率)は戒厳令の宣布を受けて急激に高まったが、その後は安定の兆しを見せている」と李は説明している。「不確実性は残るものの、今後の政治日程はいくらか明確になってきたと考えられる」とも述べている。

そうではないかもしれない。向こう数カ月間、韓国政府はアジア4位の規模をもつ韓国経済のパフォーマンスを上げる政策をほとんど打ち出せそうにない。世界の金融システムにドナルド・トランプ次期米大統領の就任に伴う「嵐」が迫るなか、その危険に備える対策すら取れないかもしれない。

より大きな問題は、尹政権が発足から2年7カ月ほどの間、競争力の強化、過去最高に膨らんでいる家計債務の圧縮、平均所得の向上、ビジネス環境の向上のための措置に乏しかったことだ。韓国はもうこの時間を取り戻すことはできない。
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残念ながら、慢性的な怠慢に陥った韓国の政治指導者は尹が最初ではない。文在寅(ムン・ジェイン)前大統領は2017年、競争条件の公平化や、より平等な所得向上に向けた「トリクルアップ成長」モデルへの転換を掲げて就任した。文がスコアボードに刻んだ勝利は少なかった。

文の前任の朴槿恵(パク・クネ)の政権(2013〜17年)は、より「創造」的な経済につくり変え、家族支配の一握りのチェボル(財閥)に偏重した経済構造を改めるという大胆な計画をもって始まった。それは朴への弾劾と実刑判決で終わった。

その前の李明博(イ・ミョンバク)の政権(2008〜13年)も、経済のエンジンを輸出からシフトさせることや、韓国を世界上位7位の経済大国にすることを公約していた。明らかに、どちらも李の任期中に実現しなかった。
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翻訳・編集=江戸伸禎

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