中国が不動産危機とその結果としてのデフレに見舞われているからといって、中国経済が世界経済を驚くほど急速に変容させているという事実は変わらない。また、韓国からインドネシアまで各国がトランプの大統領復帰によって剣呑な成り行きになりねない理由も、それとは関係ない。
韓国はこの20年ほど政策面で行き詰まったままだ。この間、世界ではたくさんのことが起こってきたが、韓国経済の基本的なダイナミクスはほとんど変わっていない。
韓国政府関係者は過去25年の日本と比較されるのをひどく嫌う。しかし、韓国の歴代政権は経済改革よりも現状維持を優先しており、日本化のリスクはいたるところにある。そして、危機を切り抜けるためには、韓国銀行の総裁に相変わらず頼っている。
たしかに韓国銀行の歴代総裁は有能だった。だが尹の策略が失敗し、韓国経済の足を引っ張り始める事態を前に、現総裁の李は前任者たち以上に難しい立場に置かれている。李がどのように対処するのかは見通せない。政治の先行きが混沌としてくるなか、韓国銀行には参照できるマニュアルもない。
(forbes.com 原文)