宇宙

2024.11.19 18:00

月と火星の共演を眺め、アンドロメダ銀河に思いを馳せる今週の夜空

月と火星の接近(Shutterstock.com)

月が夜空を明るく照らしていると星を見つけるのは難しいが、月の出は毎晩50分ずつ遅くなる。先週末が満月だったため、これからは月のない夜が少しずつ延びて、天体観測はしやすくなるだろう。再び闇夜が訪れる前に、今週は月と星々のランデブーが楽しめる。まずはふたご座のポルックス、続いて火星が深夜に月と接近する。

11月第3週の夜空の見どころをまとめた。

11月19日(火):ふたご座の中に月

ふたご座の星座のかたちを夜空に描くのは、ちょっとした難題といえる。「双子の手足」を構成する星たちは暗く、探しにくい。だが、兄弟星のカストルとポルックスは明るく、見つけやすい星たちだ。

今宵、暗くなってから2時間ほどすると欠けはじめた月が東北東の空に顔を出す。ふたご座のちょうど真ん中に抱かれるようにして昇ってくる様子を見逃さないでほしい。

11月20日(水):月と火星が接近

下弦に向かう月と、近くに輝く火星(Emad Khalid / Shutterstock.com)

下弦に向かう月と、近くに輝く火星(Emad Khalid / Shutterstock.com)

明るさをさらに減らした月が、今度はかに座で火星とランデブーする。夜10時ごろに東の空を眺めてみよう。月を追いかけるようにして昇る赤い火星が見えるはずだ。月と火星は21日の明け方にかけて、少しずつ接近しながら動いていく。

11月22日(金):アンドロメダ銀河(M31)

夜遅くまで月が昇らないので、肉眼で見える最大級の天体を観察する絶好のチャンスだ。アンドロメダ銀河は、双眼鏡や小型望遠鏡で覗いてもぼんやりした光の塊にしか見えないかもしれないが、5000億個もの星が集まってできている。明かりのまったくない夜空であれば肉眼でも見つけられる。

米アリゾナ州キットピーク国立天文台に設置されたケース・ウェスタン・リザーブ大学のバレル・シュミット望遠鏡がとらえたアンドロメダ銀河(M31、NGC 224)と、伴銀河M32(NGC 221、中央下)およびM110(NGC 205、右上)。1979年に撮影された3枚の画像から作成。(Bill Schoening, Vanessa Harvey/REU program/NOIRLab/NSF/AURA/)

米アリゾナ州キットピーク国立天文台に設置されたケース・ウェスタン・リザーブ大学のバレル・シュミット望遠鏡がとらえたアンドロメダ銀河(M31、NGC 224)と、伴銀河M32(NGC 221、中央下)およびM110(NGC 205、右上)。1979年に撮影された3枚の画像から作成(Bill Schoening, Vanessa Harvey/REU program/NOIRLab/NSF/AURA/)

この銀河の重要性は、その規模の大きさと、私たちが暮らす天の川銀河(銀河系)との距離にある。アンドロメダ銀河は、天の川銀河とよく似た渦巻銀河であるだけでなく、地球から約250万光年しか離れていない。そればかりか、約40億年後には銀河系と衝突・合体するのだ。

科学者たちは、2つの銀河をそれぞれ取り巻くハロー(銀河ハロー)と呼ばれる領域で、すでに相互作用が始まっている可能性があるとみている。

天の川銀河と隣接するアンドロメダ銀河が衝突合体する直前の夜空のイメージ図。衝突のコンピューターモデリングを基に作成(Science Illustration: NASA, ESA, Z. Levay and R. van der Marel (STScI), and A. Mellinger)天の川銀河と隣接するアンドロメダ銀河が衝突合体する直前の夜空の想像図。衝突のコンピューターモデリングを基に作成(Science Illustration: NASA, ESA, Z. Levay and R. van der Marel (STScI), and A. Mellinger)

11月23日(土):下弦の月

向かって左側が半分輝いている下弦の月が、真夜中ごろに東の空に昇ってくる。月の出は毎晩50分遅くなるため、来週にかけて徐々に暗い夜空の時間が長くなっていく。

forbes.com 原文

翻訳・編集=荻原藤緒

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