経営・戦略

2024.11.05 09:00

アマゾン「大半が週5日出社を支持」発言が波紋、従業員500人超がCEOに撤回要求

アマゾンのアンディ・ジャシーCEOは9月に、来年1月2日から週5日出社に戻す方針を発表した。

「過去5年間を振り返り、オフィスで一緒に過ごすことの利点は大きいと確信している」と通達に書いた。出社のメリットについて、「チームメイトが社の文化を学び、模範となり、実践し、強化することがより容易になること、共同作業やアイデアの出し合い、発案がよりシンプルかつ効果的に行えること、互いに教え学び合うことがこれまでよりもシームレスになること、そしてチームメンバーのつながりがより深まる傾向にあること」と説明した。

ジャシーは、過去1年3カ月にわたる週3日出社の経験から、対面で業務を行う方が利点が大きいと確信を深めるに至ったと述べた。

週5日出社の方針に従業員はすぐさま反発した。米ビジネス誌のフォーチュンは、アマゾンの多くの従業員が「怒りに駆られた求人応募」をして転職先を探しているようだと報じた。

書簡に署名した従業員らは、週5日出社は一部の従業員により大きな影響を与えると主張している。ここには育児中の人、特に幼い子どもを持つ人や、家族を介護をする人が含まれる。加えて、多様な神経学的特性を持つ従業員や、心身の障害を抱える従業員が困難に直面すると指摘している。就労ビザで働く従業員は特に立場が弱く、週5日出社の方針に従うか、仕事を辞めれば現在の住まいから追われるリスクがある。

アマゾンの広報担当者のマーガレット・キャラハンは「一部の従業員にとっては移行期となる可能性があることを理解している。だからこそ、コロナ禍以前のような出社を義務化するまでまだかなり時間がある段階でこの指針を共有している。また、高齢者介護サービスやペットシッターへのアクセス、信頼できる介護者を見つけることができるオンライン紹介サービスの無料利用など、勤務地に応じて多くのリソースを従業員に提供している」と電子メールで説明した。

キャラハンによると、同社は出勤の手段に柔軟性を持たせられるよう、さまざまな通勤手当や通勤サービスを提供している。これらの措置は地域によって異なり、都市圏では公共交通機関にかかる費用の負担や補助、無料の通勤シャトル、ライドシェアや相乗り、自転車通勤のための毎月の手当などがある。また、自転車通勤の従業員は敷地内の駐輪場所やシャワー施設を利用できるほか、施設の駐車料金も補助される。

forbes.com 原文

翻訳=溝口慈子

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