働き方改革のなか、コロナ禍で急速に普及したリモートワークにより、オフィスのありかたを見直す機運が高まっている。従業員がより作業しやすいオフィス環境とはどういったものなのか、イトーキが全国の正社員・経営者を対象に働き方・オフィス環境に対する意識と満足度の調査をしている。
それによると、現在オフィスに出社している平均日数を問うたところ、80.1%の人が毎日出社していると回答。1日以上リモートワークしている人の割合は全体の19.9%で、これはコロナ禍以前の水準に逆戻りしつつある状況だ。
出社することに対してどう思うかという質問には、「いつも前向きである」が21.0%と少なく、出社したくないと思う時がある人が62.0%に上った。これに対して、オフィス環境の満足度別に集計したところ、オフィス環境に満足している人ほど出社に前向きであるという傾向が見られた。
そこで、満足度・生産性が上がるオフィススペースとは何かを問うたところ、1位が「1人で集中するスペース」、2位が「個人でのリフレッシュスペース」、3位が「遮音ブース・スペース」と続いた。リモートワークからオフィスへの回帰は、コミュニケーションの取りにくさが要因の1つと言われているが、出社すればいつでも顔を合わせてコミュニケーションは取れるものの、作業自体は1人で集中したい、気分転換したいという実作業的にはリモートワークと変わらない環境を求めているようだ。
いまのオフィス環境に満足しているかの問には、「満足している」「やや満足している」が37.9%と4割弱が回答。ただ、年齢別に見てみると、世代が上がるほど満足度は薄れている。世代ごとに求めるオフィススペースの傾向も変わっており、すべての世代で満足度を高めるには、従業員の声に耳を傾ける必要がありそうだ。
最近のオフィスは企業や業種にもよるが、昔のようなフロア全体に詰め込まれたように机が並ぶ姿は影を潜め、余裕のある空間づくりが主流になっている。作業がしやすいオフィスなら、通勤時間を掛けてでも出社したくなるはず。これからの人材確保を考えると、働く環境のよさをいかにアピールできるかが鍵となりそうだ。
出典:イトーキ「
働く人の意識調査『働き方とオフィス2024』」より