これらの実験のあと、招待を断わった場合のネガティブな結果に関して、参加者の想像と現実のズレに着目して分析を行った。
誘いを断わるのをためらう理由
ギヴィとカークは、私たちが他人に「ノー」と言うことをこれほど深く恐れる理由を説明する仮説をいくつか立てている。以下のようなものだ。・招待者が怒るかもしれないという恐れ。私たちはしばしば、誘いを断わると相手が腹を立てるのではないかと心配する。相手は、いろいろ準備していたのにと憤慨するかもしれないし、単純に断わられることに傷つくかもしれない。
・招待者が、自分は大切に思われていないと思い込むことへの恐れ。誘いを断わられた友人や家族は、自分が大事にされていないと感じるのではないかという恐れも、ありがちな不安だ。実際にそうした結果になることはほとんどないのだが、それでも「ノー」と言うのをためらわせる強力な動機になる。
・二度と誘われないかもしれないという恐れ。いちど誘いを断わったら、二度と楽しい誘いの声をかけてもらえなくなるのではないかと恐れる人もいるだろう。これは破滅的思考だが、直感的には理にかなっている。つきあいが悪い人だと思われると、まったく誘われなくなってしまうかもしれないので、それは避けたいという考えだ。
論文は「このような自問自答が頭の中を駆けめぐり、誘いを断わることを困難にする。場合によっては、こうした心配のために、本当は断わりたい誘いを受け入れる結果になる」と説明している。しかし、5つの実験結果から、こうした恐れには現実的な根拠がほとんどないことがわかった。