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2024.10.22 08:00

AirPodsが衰えた聴覚を支援 無料「ヒアリング補助」機能のインパクト

ヒアリングチェックの結果(オージオグラム)は、iPhoneのヘルスケアアプリにデータが数値とグラフで記録される。左右の耳ごとに難聴の度合いも判定される。Apple Watchが搭載する心電図アプリの解析データのように、ヒアリングチェックの結果もPDFファイルに書き出せる。医師との相談にも役立てられるだろう。

米国に暮らす筆者の知人に聞いたところ、同国には日本のような国民皆保険制度がないため、医師を訪ねて聴覚検査をするとそれなりの負担になるという。だからこそiPhoneとAirPods Proを使って、自身の耳の聞こえにくさや難聴の傾向をセルフチェックできることが「画期的」なのだと、知人は期待を寄せていた。

自然な聞こえを支援するヒアリング補助

ヒアリングチェックを済ませると、AirPods Proのメニューから「ヒアリング補助」の設定がオンに切り替えられる。ヒアリング補助はAirPods Proのノイズキャンセリング機能と併用ができないので、外部音取り込みの機能を同時にオンにして使う。

ヒアリング補助には音の聞こえ方をより好みに合わせて最適化できるよう、主に「増幅」「バランス」「トーン(声の高さ=ピッチ)」という3種類の詳細な調整メニューがある。

AirPods Proの設定画面から「ヒアリング補助」の微調整を選択。人の声によりフォーカスしたり、声の高さ=ピッチを変えて聞きやすくすることも可能だ

AirPods Proの設定画面から「ヒアリング補助」の微調整を選択。人の声によりフォーカスしたり、声の高さ=ピッチを変えて聞きやすくすることも可能だ

音量を増幅するだけならば、日本国内ではオーディオ機器に分類される「集音器」の中にも同じ使い方ができる商品がある。AirPods Proには目の前で話している人の声だけを拾って、対面での「会話を強調」する機能や、リスニングの快適さを高めるためのトーン設定などより細かな機能が揃っている。声にフォーカスを定めつつ、同時に環境雑音を除去して聞きやすくすることもできた。

今回はiPhoneとAirPods Proの組み合わせで新機能を試したが、設定の微調整はiPadにMac、Apple Watchからも行えるようだ。
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編集=安井克至

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