サイエンス

2024.10.06 15:00

授業中の短い「スマホ休憩」が学生の成績向上につながる可能性 研究結果

また、英学術出版社テイラー&フランシスの研究調査によれば、大学の講義中に電子機器を使用すると、学生が講義で学んだ内容を長期的に記憶に定着させることができず、結果として期末試験の成績が下がったという。独出版社シュプリンガーの発行する学術誌Asia Pacific Education Reviewに掲載された論文では、講義中の携帯電話の使用頻度について「低い」「中程度」「高い」と回答した大学1年生のすべてで成績に悪影響が出ていた。

米国で、大学の講義中に携帯・スマホ使用を制限している州はないが、小中学校では禁止令の導入事例がある。フロリダ州は2023年、全米で初めて公立校での授業中の携帯電話使用を禁止し、校内Wi-Fiを使用中のソーシャルメディアへのアクセスも禁じた。

インディアナ州議会も今年4月、携帯電話、タブレット型端末、ノートパソコン、ゲーム機などの電子機器の授業中の使用を禁止する法案を可決。このほかミネソタ州、オハイオ州、バージニア州も使用制限を課している。また、カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事やユタ州のスペンサー・コックス知事は、州内の学区に対して教室での携帯電話使用を禁止するよう要請した。

携帯・スマホやSNSが若者に及ぼす悪影響を指摘する研究結果の発表が相次ぐ中、学校内での使用制限を求める声は近年高まっている。ピュー・リサーチ・センターの最近の調査では、米国の高校教諭の約72%、中学校教諭の33%が、授業中に生徒が携帯電話に気を取られることが「大きな問題」になっていると回答した。

しかし、全米保護者連合(NPU)の調査によると、緊急時に子どもたちが携帯電話を使用できるようにしておくべきだと考える親もおり、学校での使用禁止措置に反対する声もある。

forbes.com 原文

翻訳・編集=荻原藤緒

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