ゲームなどのデジタルコンテンツを提供する開発者は、アプリ内課金にGoogle Playやアップル独自の課金システムを使用せざるを得ない状況にあり、CMAは開発者の決済ソリューションの選択が制限され、顧客との直接取引が困難になる可能性があると指摘している。
しかし関連法である5月に成立した「デジタル市場・競争・消費者法(DMCCA)」が改正されることを受け、CMAは調査を中止した。
「競争促進を目的としたデジタル市場制度が施行されれば、我々はこれまでに特定した懸念事項に対して、新しい権限を検討できるようになる」とCMAのデジタル市場担当エグゼクティブ・ディレクターであるウィル・ヘイターは話す。
「アプリ開発者を含む英国のテック企業が、公正で競争力のあるアプリのエコシステムを利用可能にすることは非常に重要だ。我々は、新制度のもとで最初の調査を開始する前にこれらの要素を検討している」とヘイターは語った。
調査の終了は、グーグルに問題がないことを意味するものではない。同社は、アプリ開発者がGoogle Play以外の課金システムを利用できるようにする方策を提出したが、CMAはこれを拒否するとしている。CMAがアプリ開発者から得たフィードバックは、実質的にはグーグルの決済システムに縛られたままで、同社の取組みが十分でないことを示唆しているという。
「アプリ開発者たちが特に問題視したのは、彼らがグーグルに支払う手数料の水準と、同社が提案したポップアップ画面によってユーザーが決済を完了しなくなる可能性があることだ」とCMAは述べている。新たに制定されたDMCCAの下では、アップルやグーグルがモバイル分野において戦略的な市場地位を持っていると認定された場合、CMAは現行の競争法に基づく調査に比べて「より総合的に」新しい権限を行使できるようになるという。
「これにより、認定後にどのような介入が必要になるか検討することも可能になる」とCMAは述べている。
CMAは、新たなデジタル市場競争制度の施行後の1年以内に3~4件の戦略的な市場地位に関する調査を開始する見込みだとしている。アップル、グーグル、メタは、今年施行されたDMCCAと同様の規定を持つデジタル市場法(DMA)の下で、同様の問題で欧州委員会の調査を受けている。それを受け、アップルは今月初めにEUにおけるアプリストアの運営方法を変更した。
(forbes.com 原文)