ロシア側はクルスク州と接するウクライナ北部スーミ州で、侵攻部隊の防御にあたっていたウクライナ軍の希少なポーランド製S-125地対空ミサイルシステムを撃破した。また、ウクライナ軍の希少な米国製高機動ロケット砲システム(HIMARS)1基も今週、クルスク方面とみられる場所で被弾している。
Russian Forces managed to destroy the 2nd 🇺🇸M142 HIMARS MLRS.
It seems that they were tracking it during the Launch of 2 Missiles, and then targeted its hideout where it was reloading.
The Secondary Detonations can be observed in the place the HIMARS parked.
Presumably Sumy. pic.twitter.com/4KwRGSkgw2 — WarVehicleTracker🇵🇱 (@WarVehicle) August 15, 2024
では、ウクライナはなぜそうしようとしているのか。フィンランドのアナリスト、ヨニ・アスコラは「ウクライナの高官の発言や最近の進軍を見ると、ウクライナは、将来の交渉で有利な材料にもなり得る緩衝地帯の設置をめざしているようにますます思える」と述べている。
とはいえ、この緩衝地帯をどこまで広げられるかには厳しい制約がある。当然、ロシア側が関与する。ロシア軍がクルスク州で大規模な反転攻勢を組織し、ウクライナ軍の進撃を抑え込む可能性は依然としてある。
また、ウクライナ軍の兵站も制約要因のひとつだ。第82空中強襲旅団をはじめとするウクライナ軍部隊がクルスク州に深く侵入するほど、糧食や燃料、弾薬などの補給を続けるのは難しくなる。
第82空中強襲旅団はクルスク州で30km強前進した可能性がある。補給線を引き伸ばしすぎたり、格段に大きな損害を出したりせずに進めるのはこれくらいが限界かもしれない。アスコラは「ウクライナは過剰な拡張は避けるべきだ」と戒めている。
(forbes.com 原文)