エコシステム

2024.08.16 18:15

地方こそVCを。名古屋で22年スタートアップ投資を続けて感じる熱量の変化

今回の「セトフラ」ゲストは、株式会社MTG Ventures代表取締役の藤田豪さん

今回の「セトフラ」ゲストは、株式会社MTG Ventures代表取締役の藤田豪さん

スタートアップとアトツギベンチャーが交差し、旗を立てる挑戦者を瀬戸内から応援する新たな経済番組「Setouchi Startup Flag」(通称・セトフラ)。

瀬戸内エリア内外の起業家やアトツギをゲストに招き、瀬戸内・中四国特化型ベンチャーキャピタル「Setouchi Startups」の共同代表、藤田圭一郎と山田邦明がVC目線でゲストのビジネスストーリーを深掘りします。

今回は、MTGグループのコーポレートベンチャーキャピタルであるMTG Ventures代表取締役藤田豪さんをゲストにお迎えした回をご紹介。

セトフラ司会者である藤田圭一郎(下記、藤田)と同様に、Forbes JAPANのスモール・ジャイアンツイノベーターを務める藤田豪さん(下記、藤田 豪)。2022年に設立された中部発・地域課題解決型シードファンド「Central Japan Seed Fund」の話も交えながら、藤田さんと瀬戸内VCの2人が交わす地域VCトークをお届けします。



地域課題を解決する企業にエクイティを

藤田 豪:MTG Ventures代表取締役の藤田と申します。秋田県出身で、新卒で当時の日本合同ファイナンス(現:ジャフコ グループ)に入り、20年半在籍していました。その後、MTGにベンチャーキャピタルを作ろうと呼んでもらい、6年前にMTG Venturesを設立してCVC投資を始めたんです。

名古屋では、22年間スタートアップ投資をしていて、僕より長い人はいません。それもあって、愛知・名古屋でスタートアップが盛り上がってきている一方、シードのファンドがないのでやらないかと銀行からお声がけいただきました。そこでスタートさせたのがCentral Japan Seed Fundというファンドです。

地域課題を解決するシードに特化したファンドで、現在20社に投資をしており、50%は東海地域に拠点を置く会社、残り50%が全国のスタートアップです。日本の課題は全て地方にあると考えているので、東京には興味がありません。地域で課題を解決する起業家に対して銀行はローンを付けられないので、エクイティを入れていこうと出資者と一緒になって支援を始め、2年ほどが経ちました。

毎週色々な地方に行きながら、同じような考えの自治体や金融機関、起業家の方々と繋がって地域のスタートアップをみんなで育てていこうと取り組んでいます。

昔は、名古屋はベンチャー不毛の地と言われていました。

大企業もあり経済は回っているので、起業する理由がなかったんです。スタートアップが生まれる必要がない状況だったのが、コロナを始めとした変化が一気に起こりました。まだまだ上場を目標にしたスタートアップや起業家が多いわけではありませんが、少しずつ増えてきています。

東海地域の経済は国内の10%ほどなので、それなりの規模があります。経済規模としては大きいけれどコミュニティは大きくないので、偉い人も有名な社長もコミュニティにすぐ入ってしまうんです。だからこそ、今の名古屋にはビジネスチャンスがいっぱいあります。

地方からこそベンチャーキャピタリストを輩出する

藤田 豪:今、ベンチャーキャピタリストが足りていません。

なぜ足りていないかを考えると、みんながこの職業を知らないからだと思います。セトフラを見ているような若者がベンチャーキャピタルを面白いと思い、人生の選択肢に入ることがすごく大事。キャピタリストという職業を正しく伝えることができれば、起業家もいいけど、ちょっとキャピタリストになってみようかなっていう人が絶対出てくると思っています。

特に、地方から言わないといけないと考えています。
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文=西澤七海 編集=督あかり 写真=8bitNews

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