天然のシェルター
月の平原には多数の火山洞や洞窟が存在する可能性があり、その一部は天然のシェルター(避難所)を宇宙飛行士に提供できると、今回の論文は示唆している。これが重要になる理由は、月面の宇宙飛行士が有害な放射線や極端な温度、微小隕石などにさらされるからだ。LROのデータを用いた過去の研究では、月の表面温度が昼間は最高127度まで上昇し、夜間はマイナス173度に低下するのに対し、月面の穴と穴から通じている可能性のある洞窟や溶岩チューブは熱的に安定で、17度前後の快適な温度に保たれると考えられることが判明している。
火星の穴
火星の表面にある同様の縦穴を捉えた画像が最近、ソーシャルメディア上で拡散された。この穴の入口から通じている可能性のある洞窟は、未来の宇宙飛行士のシェルターになる他、地球外生命が存在する可能性も示唆されている。NASAの探査機マーズ・リコネッサンス・オービター(MRO)が2022年5月15日に撮影したこの画像には、火星の赤道近くに位置するアルシア山の山腹にある、直径わずか数mの穴が写っている。アルシア山は、現在は死火山となっている3つの巨大な盾状火山の1つだ。MROの観測ではこの他にも、2009年や2020年に発見されたものを含め、同様の縦穴が多数見つかっている。(forbes.com 原文)