宇宙

2024.08.06 17:00

太陽活動が2001年以降で最も活発に、オーロラが発生しやすくなるとの予測

米オハイオ州ウォルナットビーチパークから見たオーロラ、2024年5月10日(Getty Images)

米オハイオ州ウォルナットビーチパークから見たオーロラ、2024年5月10日(Getty Images)

2024年7月に太陽黒点が2001年12月以降で最大数に増えたことが明らかになった。科学者たちは、今後数週間あるいは数カ月間、オーロラの出現が増えるかもしれないという。

太陽黒点(以下「黒点」)とは、太陽の表面の磁気の乱れであり、地球ほどの大きさになることもある。NASAによると1611年以降、数え続けられており、その数は太陽が磁気的にどれほど活発であるかを示している。

宇宙気象サイトのspaceweather.comが報じているように、ベルギー王立天文台の太陽影響データ解析センターによると、2024年7月の月間平均黒点数は196.5に達した。

先週、北米ではオーロラの写真が数多く投稿されたが、しばらくの間この状態が続く可能性がある。

コロナガス放出

黒点とは太陽フレアの発生源であり、しばしばコロナガスの放出をともなう。太陽フレアとは太陽から放たれる高エネルギーの電磁波で、光速で移動しわずか8分間で地球に到達する。太陽フレアは電波障害を起こすことがあるが、オーロラは発生させない。

しかしコロナガスの放出は、磁場と荷電粒子を最大速度秒速3000kmで太陽系に向けて放出する。地球の方向に放出されれば、磁気嵐を起こす可能性があり、それがオーロラを発生させる。コロナガスの放出は数日かけて地球に到達する。

第25太陽周期

太陽はおよそ11年の太陽周期をもち、その間、太陽の磁気活動は強弱の変化を繰り返す。今は活動のピークである「太陽極大期」への変わり目にあることが、太陽表面の黒点を数えることでわかっている。現在は第25太陽周期で、2019年に始まった。

SWPCの最新予測によると、極大期は2024年8月から2025年1月になるという

オーロラはどうやって発生するのか

オーロラは、太陽から放出される荷電粒子の流れである太陽風によって作られる。太陽風が地球の磁場と衝突すると、北極と南極で磁力線を加速し、複数の緑と赤の楕円を作る。通常それらはアラスカ、カナダ北部、あるいはスカンジナビア北部(ノルウェー、フィンランド、スウェーデン、アイスランド)などの北極圏近くでのみ見られる。

しかし、太陽フレアとコロナガスの放出が多く発生すれば、太陽風はより強くなり、それらの楕円形はさらに南下する。それが起きた時、北米の人々は北の地平線上のかすかな輝きとしてオーロラを見ることができる。

forbes.com 原文

翻訳=高橋信夫

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