飲酒しながらのマラソンは過去のものではない。この伝統を受け継ぐものとして、フランスのワイン造りが盛んな地方を走る
メドックマラソンがある。このマラソン大会は、60近いブドウ畑の中を走り、沿道ではワインが振る舞われる。ランナーはおもしろおかしい服装で参加することが奨励されている。主催者は「参加者の90%以上がコスチュームを着ており、このイベントは運動競技というよりライブで行われる劇だ 」と述べている。
シャンパンとスポーツが関わっているものとして、メジャータイトルを獲得した後の表彰台で行われるシャンパンファイトがある。多くのスポーツファンにはおなじみの光景で、必ずしもテレビ中継されるわけではないだろうが、オリンピック期間中も行われるかもしれない。
1967年、F1ドライバーのダン・ガーニーが優勝を祝してチームメイトやスポンサーにシャンパンを浴びせた(Bernard Cahier/Getty Images)
この伝統はどこからきたのだろうか。F1ドライバーの
ジョー・シファートとダン・ガーニーが勝利を祝うのにシャンパンを使ったのがその起源の1つだといわれる。言い伝えられているところによると、シファートは1966年にル・マン24時間レースで優勝し、シャンパンのボトルを贈られた。それはやがて習慣となった。贈られたボトルは暑さのためか、あるいは意図せず揺さぶられたためかコルクがゆるみ、中身が周囲に飛び散った。アクシデントだったと考えられている。だが翌年の1967年、米国勢が優勝したとき、ガーニーがボトルを振ってチームメイトのキャロル・シェルビーとスポンサーのヘンリー・フォード2世夫妻に意図的にシャンパンを浴びせた。こうして伝統が生まれた。
今夏のパリ五輪でもシャンパンやスパークリングワインなどで多くの祝杯が挙げられるだろう。
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forbes.com 原文)