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2024.07.31 12:00

昔はスポーツドリンクとして? シャンパンとスポーツの歴史

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パリ五輪が始まり、フランスは祝賀ムードに満ちていることだろう。人々は祝う方法として特にシャンパンに手を伸ばすはずだ。なぜかというと、何世紀にもわたってそうしてきたからだ。

シャンパンで有名なシャンパーニュ地方を含むフランス北東部では、はるか昔のローマ時代から非発泡性のワインが生産されていた。

初代国王クローヴィス1世は496年頃にシャンパーニュ地方のランスでキリスト教に改宗して洗礼を受けた。司教の祝福を受けたランスのワインの樽を携えていたといわれ、樽の中身は、クローヴィス1世がいくつかの戦いに勝利してランスに戻るまでなくならなかったとされている。

14世紀になると、ワイン造りの技術は大きく進歩し、ワインは王族がこよなく愛するものになった。1654年6月7日に行われたルイ14世の戴冠式で振舞われたワインにランス産があった。ルイ14世は後に、この貴重なランス産のワインのボトルをライバルの英国王チャールズ2世に贈った。

こうして、戴冠式をランスの大聖堂で行い、その際、豪華な夕食とランス産のワインが供され、また他の王族や高名な要人に羨望の対象のランス産ワインを贈るという伝統が始まった。歴史家たちは、ランスのワインを 「王族の普段の飲み物 」と呼ぶようになった。ワインの作り手らが17世紀後半にスパークリングワインを考え出した頃には、ランスのワインはすでに、憧れのワインから世界的な発泡ワインへと変貌を遂げようとしていた。

もちろん一夜にして発泡ワインが誕生したわけではなく、その過程には困難もあったが、シャンパンはやがて評判になり、「祝杯」の代名詞となった。

祝い事にシャンパンが飲まれるようになって長いが、シャンパンとスポーツの関係にも歴史がある。

1896年に初めて開催された五輪で、スピリドン・ルイスがマラソンで優勝した。はっきりしないが、ルイスはレース途中にワインを一杯飲んだという逸話がある。

マラソン競技参加中にワインを飲み、しかも優勝したのは、たまたま起きたことではなかった。米オンライン旅行誌アトラス・オブスキュラのキャサリン・アレックス・ビーベンが指摘しているように、20世紀初めのアスリートたちは、アルコール、特にシャンパンを現代のスポーツドリンクのようにとらえていた。シャンパンは高い糖分と発泡の爽快さでエネルギーを爆発させると考えられていた。「清掃員からランナーに転身し、1908年のシカゴマラソンで優勝したアルバート・コリーは、レース中に一定間隔でシャンパンを飲んだことが勝利につながったと説明した」とビーベンは書いている。「同年開催された五輪のマラソンでは、上位4人を含む一部のランナーがレース中にアルコールやストリキニーネを混ぜたカクテルを飲んだ」とも指摘している。
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翻訳=溝口慈子

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