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2024.07.21 09:00

世界のアルコール消費は「少なく、安く」がトレンドに

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飲酒に関しては、適量を守った飲酒が今や当たり前となった。だが、新たな調査報告によると、消費者は、アルコール消費量を減らすだけでなく、飲酒に関わる出費も抑えているようだ。

飲料製品に関する世界的なデータおよび分析を提供する企業のIWSRがこの報告を発表した7月11日には、2024年6月の米国の消費者物価が、2020年以降で初めて下落したという報告があった。しかし、アルコール飲料の消費額が減少しているというトレンドは、価格低下に起因するわけではない。むしろ消費者は、ポストコロナにおける健康重視のトレンドや、金銭面での懸念から、より安いタイプのアルコール飲料に切り替えている。

IWSRの調査報告によると、飲用アルコール市場は今、複数の大きな転換点を迎えている。その一つが、アルコール消費におけるトレードダウンの動きだ。

トレードダウンとは、消費者が金銭的な制約を理由に、これまで使っていた製品よりも低価格なものを選択する、あるいは、全体的な消費金額を減らす動きを指す言葉だ。このトレンドは、2024年の前半に広まったとされる。

IWSRの調査報告によると、以前と比べて酒量を抑えている人のうち約50%は、その理由として、自身の心身の健康を優先するともに、人付き合いの在り方を変えたことを挙げている。金銭面での懸念を挙げた人は全体の30%で、健康不安を理由とした人は20%を占めた。

IWSRの調査は、15の主要な国と地域で実施された。具体的には、オーストラリア、ブラジル、カナダ、中国、フランス、ドイツ、インド、イタリア、日本、メキシコ、南アフリカ、スペイン、台湾、英国、米国が対象となった。

欧州諸国などの成熟市場では、家計に関する信頼感が改善しているにもかかわらず、消費者によるアルコールへの支出は低い状態が続いており、冒頭で紹介したトレンドを反映した形となった。

コロナ禍の期間に始まったこのシフトは、今ではすでに確固たる慣習として定着している。つまり、全体的な心身の健康や健康面でのメリットに目を向け、人の集まる場への外出を控えようとする消費者心理が反映されている。

もう一つの注目すべきトレンドは、法定飲酒年齢に達しているなかでも比較的若い層のあいだで、飲酒量が減っている点だ。これは、特にブラジル、南アフリカ、英国で顕著だった。この現象は先述したトレンドと関連づけられるが、それに加えて、生活費の高騰がもたらした危機的状況が、消費者の行動に影響を及ぼした結果とも言える。
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翻訳=長谷 睦/ガリレオ

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