空の観測対象領域としては、気が遠くなるほど小さい。したがって、グオが指摘しているように、研究チームがこれほど宇宙の早い時期にある初期の渦巻銀河を確認できたのは、単に運が良かっただけかもしれない。
円盤が銀河を形成する
グオによると、天の川銀河(銀河系)は渦状腕を持つ円盤銀河で、これは「薄い」円盤だ。宇宙初期は円盤が厚かったため、まず厚い円盤が薄い円盤になる必要があったと、これまでは考えられていた。その後に、円盤内で渦状腕が形成されるというわけだ。ところが、今回の研究では、円盤が薄くなるのと渦状腕を形成するのが、宇宙の最初の数十億年間にすべて同時期に進行したことが示唆されると、グオは指摘している。今後の展望についてはどうだろうか。
ミズーリ大のチームによる、赤方偏移が大きい渦巻銀河の分析をさらに発展させるために、JWSTによるより大規模でより深い(より遠くを調べる)観測を実施する見込みだと、研究チームは論文に記している。
最大の謎は何だろうか。
グオによると、観測される渦巻銀河の割合が、宇宙時間の広い範囲(ビッグバンによる宇宙の誕生から20億年後から最大約70億年後までの間)にわたって驚くほど横ばい状態であることだ。これは、渦巻形成の始まりが、宇宙誕生から20億年後の時代よりもさらに早かったことを意味しているという。
このことは、JWSTを用いていても、宇宙における渦巻銀河の本当の出現についてはまだ調査されていないことを意味すると、グオは説明している。
再考
したがって、銀河形成に関する現在の理解を再考する必要があるかもしれないと、クーンは述べている。(forbes.com 原文)