マーケティング

2024.07.13 09:15

TikTok動画広告はコメント欄も生命線 ブランデッドムービーは「秒」で取り込め

TikTokといえば、縦型の動画であることが特徴だ。縦型で動画を作る際のポイントについて、海野氏は「視聴率を上げるには2秒で手を止めさせる、というのはよく聞くことだと思いますが、私としては0秒目にどれだけ手を止めさせられるかがポイントだと思っています。かつ、縦型という点からいうと、横の場合は人物を映した際に余白が生まれてしまうが、縦型だと人物に画面がフィットするので、人で画面のインパクトを作りやすいという特徴がある。人と人の目が合う、画面越しに目を合わせられるような映像を作ると、インパクトを出しやすく、没入感を出せる」と語った。

橋本氏も「縦型だと抜けが映ってしまうことも少ないので、横と比べて撮影が楽。抜けを気にせずにテンポよく撮影ができる」という利点を挙げた。縦でのインパクトの出し方、没入感を意識して動画を作ると、縦型の良さが一番発揮できるという。

続いて、海野氏が編集長を務める、使って本当に良かったモノを紹介するTikTok上のメディア「to buy」の施策動画を会場で実際に視聴した。海野氏によると、動画にリアルっぽい声をあえて入れる、丁寧できれいな言葉よりも「この商品が好きで仕方ないから紹介する」というオタクのようなテンションの言葉遣いを意識するなど、臨場感や没入感につながるようなコンテンツ作りをしているのだという。

企業や団体がTikTokでマーケティングをしていくことについて、橋本氏は「TikTok広告施策はセールスプロモーション寄りのコンテンツ手法が多かったけれど、ショートフィルムに関しては、もっとブランディングに寄ったもの、企業や商品の背景などを伝えて、よりブランドを好きになってもらうという手法に適しているのでは」と語る。

海野氏も「TikTokは動画がメインなので、目で見て耳で感じられる。そして“いいね”の数や再生数など、“数”という部分でも視聴者の反響度がわかる。また、コメント欄を見ると、視聴者がどう思っているかというところまで感じられる。だから、企業が伝えたい思いや空気感のようなものを、五感で感じさせることができるのでは」と加えた。

「ショートフィルムに関しては、よりブランドを好きになってもらうという手法に適しているのでは」と語る橋本氏

「ショートフィルムに関しては、よりブランドを好きになってもらうという手法に適しているのでは」と語る橋本氏

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文=宮崎沙綾

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