顔を整形するには、それなりの手術をしなければならないことがわかっている。噛むものを変えるだけで顔立ちをたやすく変えられるのだとしたら、食生活が変わるたびに顔の印象が異なる人が続出し「なんだ、ジムか。ティモシー・シャラメかと思ったよ。最近よくナッツを食べているでしょう」といった会話があちこちで交わされることにもなりかねない。
噛むものや咀嚼のしかたを変えることで顎の構成要素に何らかの影響が及ぶとしても、それによって外見が変わるかどうか、また、変わるとしたらどのように変化するのかを確かめるには、さらなる科学的根拠が必要だ。
それに、噛む回数を増やし、より強い力で噛むことには、リスクが伴う。顎の痛みや頭痛といった顎関節症の症状を患うおそれがあるし、何を噛むかによっては、歯や口の中、口周りの筋肉などを傷つけることもある。
フェイシャルガムの流行は、男性が見た目をできるだけ魅力的にしようとする一大トレンド「looksmaxxing(ルックスマクシング)」の新たな動きとみられる。筆者はこれまでにも、男性がハンマーで顔を叩いて整形を試みる「ボーン・スマッシング(骨砕き)」など、ルックスマクシングの事例をフォーブス記事で紹介している。
ソーシャルメディアで目にする多くの事柄は科学的根拠に裏打ちされておらず、実際にはかなり危険な場合があることを肝に銘じておく必要がある。
(forbes.com 原文)