今週は経済指標や決算発表が少なく、米国時間6月19日の祝日「奴隷解放記念日」で週が短縮されるが、S&P500は0.8%上昇し、史上最高値の5473.30ポイントを記録した。年初来の上昇率は15%に達している。予想通り、この上昇は、AIの可能性に対する投資家の熱意から恩恵を受け続けているビッグテック銘柄に対する楽観論が主導した。
時価総額で世界最大の2社であるアップル(6月7日の株価は2%上昇)とマイクロソフト(同1.3%上昇)は、それぞれ約3兆3000億ドル(約521兆1000億円)の時価総額となり、史上最高値を更新し、S&P500構成銘柄の上昇率の中央値である0.7%を大きく上回った。
S&P500が史上最高値で引けたのは6月5日以来6度目で、市場を取り巻く強気継続を物語っている。
月曜日に他に注目されたのは、電気自動車メーカーのテスラ(株価が5%上昇し7週間ぶりの高値)と、半導体チップ開発会社のブロードコム(同じく5%上昇し新たな記録を更新し、バークシャー・ハサウェイを抜いて米国第7位の企業になるまであと3%に迫っている)である。
S&P500を構成する企業の平均時価総額は約350億ドル(約5兆5300億円)だが、アップルとマイクロソフトの両社は、その約95倍の規模を持つ。この2社と時価総額が3兆2000億ドル(約505兆3100億円)のエヌビディアでS&P500全体の時価総額の約5分の1を占めており、極端な偏りによる指数全体の健全性に対する懸念が生じている。
昨年は同業他社に遅れを取っていたアップルの株価は、先週から急騰し、先週の月曜日に行った生成AIの発表以来12%上昇している。アップルは過去1週間で時価総額に3500億ドル(約55兆2700億円)を追加したものの、アナリストは同社の横ばいの収益成長が今後の上昇を支えることができるかどうかについてはまだ信用していない。高金利環境と低調な企業業績の伸びを考えると、今年の株式市場の上昇はウォール街の予想を裏切るものだった。昨年末時点でのストラテジストらの年末S&P500の価格予想中央値は4600ポイントを下回っており、月曜日の水準に比べて約20%低いものだった。ゴールドマン・サックスなどは、市場にとって依然として好ましい環境が整っていると見ている。
(forbes.com 原文)