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2024.06.17 11:30

「次のNVIDIA」と期待、半導体ブロードコムの時価総額が120兆円突破

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シリコンバレーの半導体大手で投資家を熱狂させているのは、エヌビディアだけではない。ブロードコムの株価は米国時間6月13日、第2四半期の人工知能(AI)関連の売上高が前年同期比280%増となり、利益と売上高が予想を上回ったことを受けて12%急騰し、過去最高値を記録した。

iPhoneなどのデバイスに搭載される半導体チップやデータセンター向けのストレージの製造元であるブロードコムの時価総額は13日に850億ドル(約13兆3000億円)上昇し、約7800億ドル(約123兆円)に到達した。同社の時価総額は、わずか1週間で1260億ドル(約19兆8000億円)上昇したが、この伸び幅は、半導体業界の老舗のインテルの時価総額(約1300億ドル)に匹敵する。

ブロードコムの株価は、年初来で50%上昇しており、AIブームが本格化した2022年末からは200%高となっている。

ヴィヴェク・アリア率いるバンク・オブ・アメリカのアナリストは、13日の顧客向けメモで、ブロードコムをエヌビディアに次ぐ「第2位」のAI銘柄と呼び、同社の時価総額が将来的に1兆ドル(約157兆円)に届く可能性を示唆した。バンク・オブ・アメリカは、現状で1735ドルのブロードコムの目標株価を2000ドルに設定している。

ブロードコムの時価総額は、現状でテスラ(約5600億ドル)やJPモルガン、エクソンモービル、ウォルマートらを上回っている。時価総額が1兆ドルを超える米国の上場企業はアップル、マイクロソフト、エヌビディア、アルファベット、アマゾン、メタの6社のみだ。

ブロードコムは12日、エヌビディアに続いて、7月15日に10対1の株式分割を実施すると発表した。ブロードコムとエヌビディアは、しばしばライバル企業として報じられている。

しかし、ブロードコムのカスタムシリコンチップと、エヌビディアのGPUは、「両者とも成功を収める可能性がある」とローゼンプラットのアナリストのハンス・モーゼスマンは述べている。

ブロードコムは昨年秋に、クラウドコンピューティング企業のVMWareを690億ドル(約10兆8000億円)で買収していた。この買収は、PitchBookのデータによると2020年代で2番目に大きな買収とされている。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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