iPhoneなどのデバイスに搭載される半導体チップやデータセンター向けのストレージの製造元であるブロードコムの時価総額は13日に850億ドル(約13兆3000億円)上昇し、約7800億ドル(約123兆円)に到達した。同社の時価総額は、わずか1週間で1260億ドル(約19兆8000億円)上昇したが、この伸び幅は、半導体業界の老舗のインテルの時価総額(約1300億ドル)に匹敵する。
ブロードコムの株価は、年初来で50%上昇しており、AIブームが本格化した2022年末からは200%高となっている。
ヴィヴェク・アリア率いるバンク・オブ・アメリカのアナリストは、13日の顧客向けメモで、ブロードコムをエヌビディアに次ぐ「第2位」のAI銘柄と呼び、同社の時価総額が将来的に1兆ドル(約157兆円)に届く可能性を示唆した。バンク・オブ・アメリカは、現状で1735ドルのブロードコムの目標株価を2000ドルに設定している。
ブロードコムの時価総額は、現状でテスラ(約5600億ドル)やJPモルガン、エクソンモービル、ウォルマートらを上回っている。時価総額が1兆ドルを超える米国の上場企業はアップル、マイクロソフト、エヌビディア、アルファベット、アマゾン、メタの6社のみだ。
ブロードコムは12日、エヌビディアに続いて、7月15日に10対1の株式分割を実施すると発表した。ブロードコムとエヌビディアは、しばしばライバル企業として報じられている。
しかし、ブロードコムのカスタムシリコンチップと、エヌビディアのGPUは、「両者とも成功を収める可能性がある」とローゼンプラットのアナリストのハンス・モーゼスマンは述べている。
ブロードコムは昨年秋に、クラウドコンピューティング企業のVMWareを690億ドル(約10兆8000億円)で買収していた。この買収は、PitchBookのデータによると2020年代で2番目に大きな買収とされている。
(forbes.com 原文)